馬鹿をする俺と学校の王子様
クククランダ
第1話 布団と登校
俺の名前は成田カズヤ。普通の生活を送っている高校生だ。いや、少しだけ普通ではない事がある。
それは・・・
「カズヤ、早く起きないと遅刻するよ?」
「あと1時間だけ寝かせてくれ」
「いや、それじゃ絶対に遅刻するでしょ」
学校の王子様が毎度起こしに来てくれる事だ。王子と言ってもこいつは女の子だが
「良いか?
「はぁーっ」
彩音は額に手を当ててため息をつく。ごめんな?俺の幼馴染だったばっかりに。俺は心の中で謝罪した。
「と、いうことで彩音は先に行っといてくれ。俺はもうちょい寝るから」
そして俺は再度深い眠りに着こうと布団をかけ直して目を閉じる。すると
「あんたはそんなに眠るのが好きなら永眠させてあげるわよ」
「ちょ!?痛い!いたたたた!?」
眠ろうとすると頭に激痛が走った。俺は今アイアンクローをされている。やっているのは彩音ではない。
「まじで痛い!母さん!息子の頭が変形するって!」
「あら〜、なら少しはこの頭もマシになるのかしら?」
「その言い方は酷いだろ!?」
実の母親にそんな事を言われる俺、可哀想だな。
「で?起きないなら、本当にこのまま永眠させるわよ?」
「はい!起きます!起きますのでやめて下さい!!」
「よろしい。ごめんね?彩音ちゃん。この馬鹿息子の世話をいつも焼いてくれて」
「いえ、僕が好きでやっている事なのでお気になさらないで下さい」
「なんていい子なの!ほら!あんたもさっさと着替えて降りてきなさい」
「ヘーイ」
俺はしぶしぶ着替えて一階に降りていく。もう少し寝ていたかったが魔王が降臨なされたら、一般市民にできることなどないのだ。
「痛ってー。なぁ彩音、俺の頭変形とかしてない?大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ。いつも通り」
「なら良いけど」
俺は一階にいた彩音に尋ねる。うちの母さんはゴリラの親戚なのかと思うくらいに握力が強い。
「ほら、馬鹿な事を言ってないで!ご飯食べて歯を磨いて学校に行っておいで!」
「うぃーす。彩音は飯はもう食った?」
「うん、僕は家で食べてきたよ」
そして、俺は身支度をして彩音と一緒に玄関に向かい靴を履く。
「じゃ、行ってきまーす」
「お邪魔しました」
学校は俺が遅刻しなければこうやって2人で行く事が多い。遅刻する時もある。主に俺だけが。
「そう言えば、昨日のテレビ見た?あのお笑い芸人」
「見たよ。あの人面白かったよね」
「だよなー、あの人もっと出てほしいよな」
俺たちはこうやって他愛もない雑談をしながら学校に向かって行く。
「そう言えばカズヤ、今日の小テストちゃんと勉強した?」
「よし、この話はやめておこう」
「やってないんだね。はあ」
またもや彩音は額に手を当ててため息をつく。だって勉強なんてやりたくないじゃん。
そんな事を話している内に学校についた。
「来たわよ!彩音様が登校してきたわ!!」
「あの!今日のお昼ご飯一緒に食べませんか?」
「ずるいわ!私もご一緒したい!」
「私も!」
「うお!?」
学校についたら俺らの周り、というより彩音の周りにすごい数の女子生徒が集まってきた。彩音はその中心にいるため、俺は途中で弾かれてしまった。
「じゃ、また後でな」
「あ、うん、また後で」
そして俺は彩音に向かって手を振り、学校の中のクラスに向かって行った。
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