第45話 真剣に槍まくり!
これ……使えって事か?」
「でも突然……まさかまた付喪神?」
ユーザとハーズは空から降ってきた槍に恐る恐る手を伸ばす。
「……付喪神じゃない。普通の槍だ。」
槍は刃側の反対側が出っ張って突起状になっている。試しにユーザは色々と降ってみた。
「いけそう?」
「まあ、やってみるさ。まずはアイツだ。」
ユーザは目の前のレドレイを指差す。
レドレイは挑発を受けて興奮し始める。
「行くぞ!」
「カアァァクアアァ!」
ユーザとレドレイが向かい合って走る。
「いや待て!逃げなさい!」
と叫ぶ隊員の声を無視して走る。
「カッ!」
レドレイは毒針を飛ばす。
「おらよ!」
ユーザは槍を振り回して毒針を全て弾いていく。そしてある程度近づいたら立ち止まり、槍を前に突き出す。
「ガアッ!」
突然槍を突き出されレドレイは攻撃を真正面に受けてしまう。
ユーザは相手がバランスを崩した隙に次々と切り裂いていく。
レドレイに刃を当たるたびに時折火花が飛び出す。
「何あれ?」
「どうやら怪人の体内のエネルギーが外傷で急に外に飛び出すとたまにああなるんだよ。」
話し込んでいると右方向から飛んできた触腕が刃に巻きつく。
「クッ!サンシェか?!」
「シェーー!」
胸部から触腕を出してユーザに襲いかかった。触腕を伸縮させ槍ごとユーザを引っ張って引きずっていく。
「これでも喰らえ!」
ユーザは槍の反対側の突起側の思い切り腹部に叩きつける。
「シェエア!」
サンシェは衝撃で触腕を引っ込めてしまった。体が浮き上がった隙にユーザはドロップキックで追い討ちをかける。
「死ぬのが早くなったな!」
そう言いながら触腕に刃を突き刺し今度はユーザがサンシェを引きずる。そして槍を持ち上げ宙吊りになったサンシェにハーズの左拳が飛ぶ。
刃から抜けたサンシェは空高く上がり断末魔も無く爆ぜた。
「次はお前らだ!」
「シェー!」
「シェエエイ!」
残りの3体のサンシェも触腕を伸ばしてくる。
「オリャア!」
ユーザはそれを突起側で全て弾く。そして一体の触腕を槍に絡ませる。
「ほれ!」
その状態で槍をくるりと回しサンシェを転ばす。今度は槍を構えずスライディングと三段跳び一直線に向かっていく。怪人達の注目がユーザに集まる中、怪人の触腕が来る直前で
「リン、ザッド!」
「もういるよん!」
後ろから来たリンが3体を轢いていく。ユーザはそれに飛び乗り車体を方向転換させる。
「ありゃま片手乗りかい?出前一丁かい?」
「何言ってんだよ!行くぞ!」
「ジェー!」
サンシェ達は不意打ちに相当怒っている様子だ。
「よし、怪人達に海の声を聴かせろ!一直線に並べって。」
「おっおう。貴様ら、海の声が聞こえるか一直線に並べと言っているぞ。」
「!」
すると周囲に散らばっていたサンシェ、遠くにいたレドレイが一直線に並んで前ならえをし始めた。
「ナイス!」
そしてユーザは左手の槍を水平に構えリンのスピードを上げていく。そして構えた槍を怪人の胸に思い切り突き出す。
「ゼェリャァア!」
突き出された槍は怪人の核を順番に貫いていく。槍が空を切り始めた頃、背後で大爆発が起こった。
「まぁこんなもんかな。」
「ユーザスゲェ!」
「まぁ海の男である我には敵わんがな。」
「てか後ろの爆発あっちゅ!熱伝導率極まってるちゅーの!」
その場にいた隊員達は呆然としていた。なんせユーザが来てからこの間わずか5分程度で自分達の仕事が無くなってしまったからだ。
そんな中別部隊の連絡係がやってきてこう告げていった。
「至急連絡!水族館に怪人侵入!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます