第41話 海鮮開戦勃発

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ep.41 第41話 海鮮開戦勃発

掲載日:2024年06月16日 19時00分

更新日:2024年06月17日 17時56分

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本文

「クソッ!なんで怪人がいるんだよ!」

「えっ?そんな……妄想が現実に!?」

水族館の規制線に足を踏み入れた瞬間、ユーザ達にいきなり4体の怪人が襲い掛かってきた。


「マイルにサンシェ、レドレイやブブクラクって全部海系じゃねえか!」


「うむ……見た目からしてウナギ、シャミセンガイ、アカエイ、キングクラブと言ったところか……いいだろう全て釣り上げてやる!」

ザッドがイキイキとした声で怪人に言い放つ!

「イヤコイツらもう陸にいるから!」


「ウナギにキングクラブだって?よしユーザ、アイツら捕まえろ!晩ご飯だ!」

バカ医者がユーザに捕獲するよう頼み込む。

「怪人食なんて一部のマニアくらいしかやらねぇよ!」

「あっでも私ウナギは小骨が嫌いだからユーザが全部食ってもいいぞ。」

「話聞いてんのかバカ!……こんな事になるなんて聞いてねぇぞ!」

バカ医者の妄言に振り回されながらユーザは怪人を退けていると警備隊員がやって来た。


「君達ダメじゃないか!こんなところにいたら、」

「早くこの線の中から出なさい!」

隊員達は無理矢理ユーザ達を紀勢線の外に追いやる。

そして怪人に向き直ると隊員達は怪人に向かって何かを投げつける。


「クルルルゥェエイ!」

「ラァァアクゥ!」

怪人達がそれを弾き返そうと触れた瞬間、その物体から煙が吹き出し怪人達に周囲に立ち込める。

「アァァドゥ!」

「ミシャミシャ!」

怪人たちは煙を吸い込んだ途端苦しみ始める。


ユーザはそれを見て即座に

「催涙弾か……確かに下手な物理攻撃より怪人に効果はあるな。」

感心する。それを聞いたチェンジャーは

「あっソレボク聞かないやつだー。」

と何気無く呟く。


「…え?」

一同チェンジャーに振り向く。

そんな中隊員達は怪人が怯んでいる隙に別の物体を投げ込む。


怪人にした命中した瞬間、怪人たちの体表が白くなっていくと同時に動きが徐々に鈍くなる。そして怪人の体が完全に白に包まれた頃にはピクリとも動かなくなっていた。


「あれは……冷気か?」

「おそらくな。」

キンノミヤは途端に目の色を変え出す。

すると「ふーん……あの急速冷凍の技術。色々使えそうだ。是非買いたいな。」

「今そんなこと言ってる場合かよ。」


隊員達は怪人達の動きを止める事に成功し、そのまま剣を取りだす。

「オイ、クリゴ。なんか剣を取り出したぞ。」

「おそらく凍らせた怪人を絶命させるんだろ。……アイツらなかなかやるんだな。」


同じ頃、物陰に隠れながらクリゴ達も同じやり方で怪人の動きを封じているのを見ていた。クリゴはここまで健闘した警備隊に口では感心しながらも腕には槍を構えらえていて警戒は怠っていなかった。


隊員が怪人の首に刃を突き立てた瞬間

「シュウルア!」

「うわぁっ!」

「ぎゃあ!」


怪人達はまた動き出し周囲の隊員達の体を貫き始める。


「やはりダメだったか!」

クリゴはそれを見た瞬間物陰から身を乗り出し怪人に向かっていく。


「フゥン!」

前にいた隊員達を飛び越しクリゴはシュリプレットの胸部に思い切り槍を突き立てる。そして右から近寄って来たグフゴを蹴り飛ばし隊員達に大声で呼びかける。


「ここはオレが食い止める!おそらくさっきの凍結弾のおかげで今は動きが鈍い!逃げるなら今だ!」


「えっえぇ…」

「あっあ……」

隊員達は突然の事に言葉が出なかった。

「早くしろ!」

クリゴが本気で怒鳴る。

「わっわかった!」

隊員達はそれを聞いてやっと指示通り逃げ出した。


「今のうちにサクッとやるぞ!」

クリゴと3体の怪人の戦闘が始まった。


そしてユーザ達のいる第4班のエリアでも怪人たちが暴れ出していた。

完全に倒せた思っていた隊員達は怪人が復活したことに完全パニックに陥っていた。


「アレってヤバくないか?」

「ユーザ。何を考えているか知らんがどうせいったって追い返されるだけだぜ。もう諦めよう。」

「え?」

するとキンノミヤは語り出す。

「大体オレ達は怪人退治をしに来たんじゃない。アスカさんの彼女を連れ戻しに来たんだ。でも水族館はこの有様。こんな事ならとっとと帰ってライドエンプ出発のために準備した方がマシだ。」


「でも怪人がいるんだぞ。それにバブルの時は助けてくれたじゃねえか!」

ユーザは反論すると、キンノミヤが目を細めながら口を開く。


「アレは単なる箔付けだ。バブルの公的機関の依頼を完遂すればこれからのためになると思ってだ。でも今の依頼はどうだ。コイツ金持ってるように見えるか?

それにコイツの彼女はオレの大切な大切な金を奪ったんだ!元々乗り気じゃないんだ。」


「そんな……」

ユーザは口籠る。


「まぁそれでも正義のヒーローごっこがやりたいなら勝手にしろ。オレはタキガワと医者を連れて一緒に帰るからな。タキガワ、医者、行くぞ。」

「キンノミヤ様……わかりました。」

キンノミヤはタキガワを連れて帰っていった。


「……。」

ユーザはその後ろ姿を拳を握りしめながら黙って見ていた。





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