第27話 鈴は武器に入るのかなー?
「知ってるか?」
「ユーザ?知らないなぁ」
「だろうな!御神体に落書きするような奴がな」
(なんだコイツ……)
カミカミ男はユーザを倒す為彼についての聞き取り調査をしていた。
「おいベル何か役立てよ!何もしてねぇじゃねえか!」
「自転車のベルに何求めてんだテメェは!マジで動けないんだよ!」
「そもそも転生者ならチートスキルとか使えねぇのかよ!」
「無理っつったろ!」
「使えねぇとか使えねぇ〜〜〜!」
「ハァ?キチガイが一丁前にシャレ言ってんじゃねぇ!それにオレの名前は
転生者コンビは人目も気にせず道端で喧嘩を始め出した。
それをチェンジャー達は側から見ていた。
「何だろうなーアレ?」
「ただの狂人でしょう。ほっときましょう。」
チェンジャーはカミカミ男達を無視して別の人間に聞き取りをしようとしたその時。向こうからチェンジャーを呼ぶ声が聞こえる。
「あっ見つけた!チェンジャーさーん!」
「アレは…タキガワ?」
タキガワはチェンジャーを見つけるなり駆け寄ってくる。彼の腕にはキンセツとツミが収まっていた。ツミ達はタキガワの腕の中で叫び出す。
「ここにいましたのねー!」
「キミの
「
「すいませーん!2人とも待ってられなくなったらしくて!だからお願いしまーす!」
「そう言えばそんな話もあったねー。」
チェンジャーはまるで他人事のような態度だ。
「他人事ではありませんよチェンジャー様。バブルへはすぐには行けないようですし、切ってもよろしいかと。」
クランボがチェンジャーを嗜めた瞬間。
「
その単語を聞いたカミカミ男からさっきまでの怒りの表情がばっと消え無表情になる。そしてその無表情のままブツブツと小声で何かを呟き始める。
「神は紙……木造建築は違法…コピー用紙は御神体……発祥地は…敬うべき……落書きダメ………印刷は逆賊行為…… 紙神紙神髪紙髪紙髪紙髪神髪紙髪紙髪紙………」
「はっ何言い出してんのこのキチガイは?」
男の脳内には前世での記憶が溢れ出していた。死ぬ直前の記憶が。
「いいえ髪こそ神です。」
死ぬ1分前に言われた一言がフラッシュバックした途端
「ほざけえええええ」
男は周りにいる物全てが逃げ出したいくらいの大声で叫び出し
丁度近くにいたタキガワに飛びかかり馬乗りになる。
「紙こそ神なんだあああああ」
「ちょっ何、グハッゴホォ!」
カミカミ男はタキガワの顔面を一心不乱に殴り出した。
「髪だと!?ふざけるなぁ!」
「やっやめグボァア゙ァ!やめガァ!」
「何ですのこの方は!離れなさい!」
「おい!タキガワに何しやがるんだ!」
「おいおいやめろよぉ!傷害事件起こすなっての………いい加減にしろこのキチガイ!異世界行ってまで恥かきたくねぇんだよオレはぁ!」
「え?」
「貴方は?」
同時に呼びかけた雅行とツミ、キンセツは双方をやっと認識する。
(えっオレの他にもクソ神の被害者ってこんなにいるの?)
(彼も付喪神なのでしょうか?異世界って何ですの?)
「ってこんな事考え出る場合ではありませんわ!そこの方、協力をお願いしますわ!」
「えっ、はっはい!」
「手を引っ剥がしますわよ!」
ツミはカミカミ男の手をふり解くために自分の体を腕に巻きつけ引っ張る。雅之は全体重を乗せてツミの体を押す。
(コレオレ達意味ある?)
雅之は頭にそんな事がよぎりながらも腕を離すために力を振り絞る。カミカミ男は腕の異物感に気づき
「フハハハハ!丁度付喪神男を倒そうとしていた所だ!お前らも倒してやるぅ!」
カミカミ男はタキガワを殴る手を止めて腕にひっついている雅之とツミを放り投げる。
「キャッ!」
「うわ!でも作戦成功!」
「……助かった。」
「大丈夫タキガワ!」
「フハハハ!付喪神を倒したぞこれな」
「付喪神男ってもしかしてユーザの事ー?」
チェンジャーが剣を向けカミカミ男に詰め寄る。刃は男の首を捉えていた。
「悪いけどボクそいつに会いたくてさー、君にころされでもしちゃ困るんだよねー。」
「うるさいうるさいうるさい!あの男の生存を望むなら死ねぇ!」
そう言うとカミカミ男はチェンジャーに向かって先程のように飛びかかるが
「それしかしか攻撃がないのかー。殺すまでもないや。ところで鈴は武器に入るのかなー?」
頭を左腕に掴まれそのまま地面に叩き落とされる。 彼は受け身も取れず地面にビターンと真っ逆様に落下しそのまま動かなくなった……はずだった。
「神のご加護!」
突然体をのけぞり背筋をまっすぐに右腕を突き出した姿勢で起き上がる。そしてその拳はチェンジャーの顔面目掛けて突っ込む。
「甘いなー……ッ!」
チェンジャーは剣でそれを防ごうとしたが剣が拳の威力に負け叩きおられ頬に拳が飛び込んでくる。
「フフフ……」
攻撃を受けて、少しよろけた隙を狙われ今度は鳩尾に鳩尾に拳が入る。
「どうだ!」
それを見てナギとクランボが衝撃を受ける。
「そんな……チェンジャーが…攻撃を受けるなんて…」
「なっ…」
彼らは彼がまともに攻撃をしかも2発連続で喰らった後悔を初めて目撃した。今まで淡々とかつ確実に勝負に無傷で買ってきたチェンジャーを見てきた彼らにとってかなり刺激が強過ぎた。ただ…
「面白くなってぇ来たじゃないかー!」
当のチェンジャー本人はその状況を大層面白がっていた。どうやらダメージはまともに入っていないようだ。そしてハイテンションのままナギとクランボに告げる。
「キミ達の力を使ってボクが本気を出したらどうなるのかなー!?」
最恐の不審者に負傷の2文字はないと思わせる程の笑顔だった。
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