第5話 神社と謎の組織
~第4話までのあらすじ~
2028年2月29日。ベッドに飛び込んできた
結局その日は1日中、突然起きた異変について考えていたので、学校からの
(こんな神社、あったっけ)
いや、神社自体は確かにここにあったのだ。大きな杉の木がある神社だ。が、響はかすかな違和感を覚えた。そして考えるより先に、
階段を上っていくと、見えてきたのは大きな鳥居であった。ここをくぐれば、神様のお
(......!!)
響のとなりには、先ほどまでいなかったはずのオトナが立っていた。突然のことに声も出ない響は、ゆっくりと視線を相手に向けた。とはいっても、自分の目線が相手の腰のくびれあたりであるうえ、相手は名前も人柄もまるで知らないオトナ。恐怖心から顔を見ることができず、50cm先にあるへそのあたりを眼中におさめるので精一杯だった。
「キミが国見響くん?」
頭の上から聞こえてきたのは、少しチャラそうな軽いノリの声だった。
「そう、ですけど...」
「よかった~!早速のお仕事だったからぁ、会えなかったらどうしようかと思ったよ~!
あ、そうだ。私はバグ調査組織RGBのサードリーダー、
(お仕事?RGB?何の話だ?)
茶緒は独特の間がある話し方で、簡潔に自己紹介を終えた。
良い人なのか悪い人なのか、響にはさっぱりわからなかった。
「じゃあ行こっか~!」
(...どこへ?)
響の心の問いに答えるように茶緒は言った。
「RGBの施設へ!」
自己紹介が終わったと思ったら、待っていたのは謎の施設への連行である。響は思った。
(...絶対悪い人だ~!)
「いや、ちょっと待っ...」
響が抵抗しようとしたその時だった。茶緒が空をつかみ持ち上げる動作をしたと思ったら、次の瞬間、響の体は70cmほど浮いていた。ここではじめて、茶緒と目が合った。
「
茶緒は何やら説明を始めた。
体が宙に浮いている...。俯瞰の手?なんだ、それは。それに、この人が4次元の住人??
「例えば3次元に住むキミたちは、紙、つまり2次元に自由に書いたり消したりできるでしょ?一部分を切り取って別の場所に貼り付けたりもね!それと同じこと。」
茶緒の説明を聞いて、響は抵抗をやめた。対面している人物が持つ力は、文字通り異次元なのである。これでは、どれだけもがいて逃げようとしても、無理だろう。そこで響は作戦を変えた。
「RGBとかいう場所に連れて行ってどうするんですか?」
時間稼ぎである。次元を超えて有効な作戦。自分で解決できない問題は助けがくるのを待てば良いのだ。
「う~ん、それはボスに聞かないとわからないな~。まずぅ、RGBっていうのは———」
掛かった。作戦は順調だ。あとは助けがくるのみ。茶緒は続ける。
「えーと...R、R...なんだっけ。なんかの略だったと思うんだけど...忘れちゃった!さっきも言ったけどバグ調査組織ね!私たちは今日から組織に所属することになったから、私も良くわからないの!」
私たち?今日から所属?新しい組織なのか?
響はいくつか疑問を抱いたが、その疑問はすぐに吹き飛んだ。
視界の
*人物*
・
・
・
・謎の少女 :10歳前後のお菓子好きな少女。
・
・
*発生したバグ*
・空白の半日
2028年2月28日の昼12:00~夜24:00までの12時間の記憶を持つ者はいない。
・国見糸葉のオトナ化
国見糸葉は身長およそ230cmのオトナになった。
・オトナの出現
日本に身長250cm程度の女性「オトナ」が出現した。
・中野旗音の消失
2028年2月28日を最後に、中野旗音は姿を消した。
・神社の違和感
??????????
糸葉以来、2人目のオトナと遭遇した響。
絶体絶命の状況で響の視界に入ってきた、巫女の正体とは?
小ネタ)
篝茶緒の身長は240cm。大人の中では小さめなほうである。
金髪で見た目はチャラめ、話し方もギャルい16歳である。
篝茶緒(かがりちゃお)をアナグラムすると
かがりちゃお→おちゃがかり→お茶係
となる。サードリーダーと言っていたが、組織の位置づけとしてはそんな感じである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます