第3話 アウロ

俺は何のために存在するのだろう?


世界を守るため?皆を守るため?


だけど、嗚呼。


世界は、人間--ごく一部を除いて--は俺を否定した。


否定されながらも俺は今日も戦う。天使と呼ばれる存在と。世界を、皆を守るため。


後に俺は知ることとなる。この世界の真実を。この世界の醜さを。


神が人間を滅ぼそうとする理由。


それがわかった気がした。


それでも俺は戦う。俺が本当に守りたい人間達のため。散って行った彼らのためにも。


だけど、いつか。


いつか神や天使と戦わなくても良い日が来れば良いと。


彼らと和解できる日が来れば良いと。


心のどこかで祈っていた。皮肉にも敵対するはずの神に対して。


この祈りがいつか届けば良いと。


俺は今日もそう願わずにはいられなかった。









  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る