空気をよまないバカな幼馴染がいるとね…大変ですよね?まぁ、バカ認証済みだからご安心くださいって…そんなわけなくない⁉︎

猫の集会

こたつ最高‼︎

 あたたかいほうじ茶

 

 とりのさえずり

 

 窓から差し込む朝日

 

 今日は、いい天気だ。

 

 

 と、とてもほっこりする朝を迎えている…わけではないっ‼︎

 

 オレは自分の心を無理矢理落ち着かせているのだ‼︎

 

 なぜ?って…

 

 なぜなら今日は…今日は…

 

 うん、何もない。

 わけでもない。

 

 だってぇー、今日かあちゃん一日中パートだし、こたつでゴロゴロし放題祭りが勃発しておりますの。

 こんな最高な一日の幕開けってありますかってんだよ!

 

 

 もうさ、お菓子にジュース持参でこたつにインですよ。

 

 さらに‼︎

 さらには、オプションで昨日買った漫画を読み漁るっていう特権付き‼︎

 

 どうです⁉︎買いですよ?奥さん⁉︎って…オレ、オトコだわ。

 

 

 あぁ、それにしてもこの漫画やっと…やっと‼︎今回結ばれるんじゃね⁉︎ってわけなんですわ!

 ついに幼馴染からの恋人にっ‼︎にっ‼︎

 

 ニヤァ

 

 

 オレもあずさと♡なんちって?

 

 はぁ、早く読みたいけど…まだあたためたいみたいな?

 

「あたためますか?え…は、はい♡みたいな?な?ね♡」

 

「入るよー」

「そう、入ります♡って⁉︎えっ⁉︎」

 

 ‼︎

 

「おい、あずさ…どうやって忍び込んだ」

「は?鍵あいてたよ?」

 

 …あ、たしかかあちゃんがさっき出かけるとき鍵しめといてーって言ってたような…

 

 

「あずさ…入るなら入るっていえよー」

「言ったけど?」

 

 …

 

 あー、入るとか聞こえたような…。

 

 って‼︎あずさ…

 

 

「なんですっぽりこたつ入ってんだよ…」

「えー?だって寒くてぇってか、新刊でたんだぁ」

 

 と、あたかもずっと読んでいるふうに本を手に取るあずさ。

 

「もしかして…あずさもそれよんでんの?」

「うん。」

「へー、面白いよな」

「うん。てか、読んでるから少し黙りな」

 

 …

 

 え?

 

 オレより先に読むあずさ。

 

 …

 

「あずさ…自分で買えよ。」

「いや、節約だろうよ。こうして節約して、はや十巻」

 

 ⁈

 

「え、まさか…ずっとオレの読んでんの?いつから?」

「見つけた日から」

 

 …まぁ、そうなるか。

 

 …

 

 シーンとした部屋にオレとあずさがこたつに入って、のんびりしている。

 

 …

 

 なんだろう、この熟年夫婦みたいな安心感…

 

 …

 

「あの、お茶でも飲みますか?」

「うん、サンキュ」

 

 …

 

 なんだろう、この昨日奥さん怒らせて機嫌取る旦那みたいなの…

 

 なんなら、オレ風呂洗うからゆっくりしててよ…みたいな空気…

 

 …

 

「なんでじっとわたしを見てるのよ?気が散る」

「あ、すいません…って‼︎おいコラ、あずさ人の家でくつろぎすぎだろぅ」

「ねー」

 

 

 …

 

 ねーって…。

 

 

 …

 

 あー

 暇だなぁ。

 でも、あずさ本読んでるし邪魔したらかわいそうだし…

 

 それにしてもあずさって髪の毛艶々でキレイだなぁ。

 いつのまにこんなに髪伸びたんだろう?

 それに、最近おしゃれだし…

 

 

 

 ゴロンと転がるあずさの横でオレも転がっていつのまにかオレはあずさの髪を撫でていた。

 

 

「あ…」

 

 あずさがめっちゃオレをガン見していた。

 

 …

 

「なに?」

「えと…抱きしめていい?」

「は?」

 

 …

 

 オレは思わずなんてことを発してしまったのだろう…?

 

 そりゃ、は?って反応は、当たり前だ。

 

「え?」

 オレはどうしていいか分からず思わずえ?と返した。

 

 

 …

 

 シーンとしている部屋。

 

 オレたちは、こたつで二人仲良く入っているわけで…はたからみたらこれはただのイチャイチャなわけで…

 

 やっぱり結局抱きしめるしかないだろう。

 

 

「抱きしめたい」

「は?」

 

 めげないオレ。

 

「だからぁ、抱きしめていいかってきいてんの」

 

 …

 

「バカなのか?こうた?」

 

 …

 

 オレはバカなのか?

 うん。きっと分類されたらバカの方に仕分けされるだろう。

 

 

「はい、バカです。」

 

 …

 

 あずさは、本をパンって閉じてオレをじっとみた。

 

 そして無言。

 

 

 …?

 

 

 ⁉︎

 

 こっ、

 これは…はたからみたらキスする前兆。

 

 

 こたつで二人きり、なおかつ見つめ合うって…も、もうキスしかねーだろ‼︎

 

 

「キスしていいのか?んっ⁇」

 

 …

 

「やっぱりバカなんだね」

 

 …

 

 えぇ、そうですとも。バカに分類されておりますとも。

 

 

「バカ認定済みだから安心しろ」

 

 …

 

 あずさは、思いっきりため息をついた。

 

 からだ中の空気を全部吐き出したんかってくらいに。

 

 

 そしてまたオレをじっとみた。

 

 

 …

 

 

 ⁉︎

 

 ま、まさかこれは‼︎

 

 オレは気づいてしまった。

 

 

 これはオレからするんじゃなくてあずさからくるんじゃね⁈と。

 

 

 だってそうだろ?

 

 オレをじっと見てるって…獲物を捕らえる前にじっと見てからのガシッだろ。

 

 オレが捕獲される側だとは…

 

 

 くるのか?どうなんだ?どうやってくるんだ?

 あん?

 

 ほらほら、こいよ?

 

 ウェルカムだぞ?

 

 

 ん?

 こないのか?

 

 どうした?おじけずいたんか?

 

 

「どうした?あずさ、さぁこい‼︎」

 オレは大きく手を広げた。

 

 それを冷めた目でみてくる…あずさ。

 

「やっぱりバカなんだ」

 といい、また本を読み出した。

 

 

 ⁈

 

 獲物を捕らえるんじゃなかったのかよ⁈

 

 やっぱりおじけずいたんだな…。あずさめ。

 

 

 …

 

 ならやっぱりオレからいくしかねえか?

 

 …

 

 …

 

 ん?どうなんだよ?

 なんかアクション起こせよ?

 あん?

 

 

 オレはマジマジとあずさをガン見した。

 

 

 するとあずさは、また本を閉じて笑った。

 

「近いよ、バカ」

 と言いながら。

 

 

 また怒られてしまった。

 

 しかも今度は、笑われた。

 

 

「あずさは、怒ったり笑ったり忙しいな。もうわかったよ。主婦は、なにかと疲れるもんな。じゃあ、オレが晩飯は作るからゆっくりしとけよ」

 

「だれが主婦なのよ…てか、晩飯ってなによ?わたしたち熟年夫婦じゃないし」

 

「だな。」

 

「まぁ、いつか…その…ね…」

「ん?」

 

 …

 

「だからぁ、察しなさいよ」

 

 …

 

 え?察する?

 ん?

 

「やっぱりバカなんだねー…」

 

 え?

 

 …

 

「ん?」

 

 …

 

 

 

「さっきからさー、抱きしめていいかとかキスしていいかとかさ、もうわかるよね?好きじゃなかったら、こんな無防備でこたつ入らないし、おしゃれしてそんなしょっちゅう入り浸らないよね?黙って抱きしめてよ。空気よんでいいムードつくってキスしてよ」

 

 

 ?

 

 えぇええ⁈

 

 

 …マジか

 

 オレは、ほんまモンのバカだわー。

 あずさにこんなこと言わせるまでわかんねーとかヤベーなー。

 

 

「あずさ、あずさぁーー‼︎♡」

 

 オレはあずさを思いっきり抱きしめて優しくキスをした。

 

 そして何度も抱きしめては、キスをした。

 

 

「あずさ、大好き」

「うん。わたしも大好き」

 

「「♡ふふ♡」」

 

 

 幸せ過ぎます‼︎

 

 まさかこたつで愛がうまれるなんて予想もしておりませんでしたが、やっぱりこたつは色んな意味でぬくぬくっすーー♡♡

 

「あずさ、あずさっていつからオレのこと好きだった?」

「みつけたときから?なんてね♡」

 

「「♡ふふ♡」」

 

 ♡♡チュ〜♡♡

 

 

 

 

 

 おしまい。

 

 

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