死臭
黒星 落
死臭
ちょいちょいあんた ちょいあんた
死臭がぷんぷんしているよ
気をつけないと死んじゃうよ
いきなりなんだ失礼な
これでも身体は健康さ
ちょっと太っちゃきたけれど
まだまだ全然大丈夫
違うよあんた 全然ちゃう
あたしが言っているのはね
こころの死臭のことだから
こころの死臭ってなんのこと
やっぱりなんだか失礼だ
心当たりがあるだろう
心が死にかけてるだろう
心が生きていないだろう
早く癒やしてあげなけりゃ
今度は身体も死んじまう
あんたが自分を殺しちまう
そんなの言っても知るもんか
それで誰が困るのさ
あんたの知ったこっちゃない
よけいなお世話はやめてくれ
そりゃ知るもんか他人さね
あとでニュースに出てたって
茶ァ飲みながら「かわいそう」
明日の朝には忘れてる
だったらどうして声かけた
放っておけばよかったろう
うるさいからさ うんざりさ
あんたの心が泣いててさ
痛みにしくしく耐えながら
生きてくれって叫んでる
そんなのぼくには聞こえない
大体今更どうやって
生きればいいかわからない
それこそあたしの知るもんか
まずはとにかく泣き虫な
お前のこころを聴いてみな
心の声を聴いたなら
詩の一つでも書けばいい
少しは慰めになるだろさ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます