第10話 暴走ハゲ

筋肉モリモリマッチョマンの変態であるムゴンをロッドが倒してから数日後、ロッドと共に街中を歩いていると突然つるっぱげの男がこちらに向かって叫びながら向かってくる。


「た、助けてくれええ!!!!!!!!」

男は泣いて鼻水をたらしながら、こちらに向かって走り、数十メートル後ろには顔に骸骨のような模様のある全裸の男が空中を歩いていた。


(あの顔・・・・・まさかこの前手配書で見たタロウ・サンバコ!?)


「毛毛毛毛毛毛毛毛毛毛毛毛毛毛毛毛毛毛毛毛毛毛毛毛」

すぐに俺は背後で毛を連呼している男が禿げ頭盗賊団リーダーのハッポウだと理解する。


「毛ぇー!!!!」

ハッポウはなんかよくわからない光る球体をこちらに向けて放つ。


「!ロッドさん危ない!」

俺は慌ててロッドの前に立ち簡易的な結界魔法を発動する。


「・・・・・・!レンブ君!急いで離れろ!」

「え?」


ロッドは何かに気づいたように慌てて俺を自分ごと横に押し出した。

すると俺が張った縦型の長方形の形をした結界が球体に触れた瞬間、バキバキッ!とひびが入りそのまま砕け散った。


(当たってたら死んでた・・・・・・ロッドに助けられたな)

俺は冷や汗をかきながらロッドに心の中で感謝する。


「そこの君」

ロッドは逃げようとしていたタロウの目の前に移動しハッポウの事について問い詰める。


「あのハゲた彼は一体何があったんだ?」

「うるさい!どけえ!」


ロッドはプゥッっという音と共に放屁する。


「!?くっせえ!!」

「何があったんだい?」


ロッドは圧をかける。

「次は十倍臭いよ?」


「わ、分かった!話す!話すから!」

「なるべく手短にね」


そうして俺とロッドは逃げながらタロウの話を聞くことになった。


◆◇◆◇


ー1日前ー

ー禿げ頭盗賊団アジト内「儀式の間」ー

「もう10時か」


リーダーが儀式を始めて約10時間、リーダーは儀式の間から一歩も出てこなかった。


「進捗はどうかな・・・・・・!?」

儀式の間の扉を開くと、そこには大量の髪の毛に飲み込まれているハッポウがいた。


「毛が・・・・・・欲しい、俺を押しつぶすくらいの毛が!欲っしいいいいいいいいいいい!!!!!!!!!!!」


ハッポウがそう叫んだ途端大量の髪の毛が一瞬で消え、そこには体毛すらないハッポウだけがいた。


「おっまっえっの毛っをよっこっせー!!」

ハッポウは俺に襲い掛かり、俺は命からがらここまで逃げて来た。


◆◇◆◇


「っという訳だ」

「・・・・・・新情報ゼロじゃねえか!」

俺は思わずツッコんでしまう。


「・・・・・・レンブくん、少し僕に付き合ってくれるかい?」

「?別にいいですけど・・・・・・何で?」


「あの禿げた彼を倒す、秘策を思いついた!」




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る