ナンパされたのでひどい振り方をしたら同じ高校のヤンデレ先輩でした。
@renainou
第1話
卒業式の後、校舎裏の隅にひっそりと佇んでいる桜の下、私は今告白されている。
相手は3年間同じクラスだった
私の恋愛対象は女だ、因みに私も女だ。この事は誰にも話したことは無い、親しい友人にも家族にさえも。
告白の答えは
「あ、あの……私でいいなら…よろしくお願いします」
勿論『yes』だ。
「本当!?嬉しい………」
3年間ずっと、片思いだと思っていたいた。まさか両思いだったなんて…嬉しい、嬉しすぎる。これから二人で色々な所に行って高校に入ったら放課後デートとかもしちゃって……憧れの美香ちゃんと沢山思い出作るんだ!
「なーんてね」
「おいおいアノ噂、本当だったのかよ」「やべぇ〜」「ちょっと美香、告白okだったじゃ〜ん」
「え?」
私の死角から出てきたのは美香ちゃんといつも一緒にいるいわゆる一軍の人達だった。
「え…どうゆうこと?……噂って何?……」
「ああ〜それはね……」
美香ちゃんが言う
「貴方が同性愛者っていう噂」
「いや〜ちょっと優しくしただけで惚れるとか、ちょろいんだね早瀬さんって」
早瀬、
「因みにこれ嘘告ね、早瀬さんがホントにレズなのか確かめるための、まさかガチだったとはね。」
「ぇ……そんなぁ……」
「じゃ、もう貴方に用は無いからさよなら」
美香ちゃんは私に別れを告げると一軍の人達と足早に何処かへ行ってしまった。美香ちゃん達は何やら楽しそうに会話をしている、嗚咽しながら泣き崩れる私を背中に。
♢
「はぁ……」
私の恋は終わった、しかも最悪とも呼べる終わり方で。どうせ皆私のことなんて『キモい』とか『ありえない』とか思っていたんだろう。告白に『はい』と答えてしまった自分が恥ずかしい。
今は気分晴らしに駅前を散歩している。いつもなら電車に乗り帰路についていただろう。
しかし何をすればいいのだろうか?所詮今の私は中学生(今日卒業したけど……)、できることは限られている。まぁ高校の予習のために参考書でも買って帰るか。
そう思い本屋に向かった。周りには私と同年代くらいの人が沢山いる、みんな複数人だ。たまに一人の人を見かけるけど大体待ち合わせだ。
現実から目を背けるためにイヤホンを耳にする……と同時に後ろから肩をトントンと叩かれた。
「ねぇ、今暇?もしよかったら私と遊ばない?」
それは友達でも家族でもなく見知らぬ女子高生だった。たまにいるんだよ男だと間違えて私にナンパしてくるやつ。よくクラスメイトからも『凪沙ちゃんってボーイッシュだしクールだし男の子みたいだよね〜』と言われていた。
っち、今は制服を着ているので女だと分かると思うのだが、本当に嫌気が差す。しかもナンパしてきたJKは皮肉にも美香ちゃんに良く似ていた。だからだろう、先程の件もあり少しキツイ言い方をしてしまった。
「は?なんで私があんたと遊ばないといけないわけ?私『女』なんだけど、どう気持ち悪いでしょ?分かったらさっさと消えてくんない?」
向こうは私が女で相当がっかりしたのか、とても悲しそうな顔をして去っていった。
高校に入ったらこんな先輩や同級生がいるかもしれないと考えると今後の学校生活が億劫になった。
♢
「みなさん、おはようございます――」
現在は入学式の後半、長ったらしい校長の話が始まった。なぜ誰も聞いていない話を聞かないといけないのだろうか?早く学校終わってくんないかな……
「――皆さんは一人一人違う人間です、その個性を認め合い――」
この言葉、反吐が出る。個性を認め合う?何を言っている今の社会は皆空気を読み、各自の個性なんて『こ』の字も無い。仮にその個性とやらを人前に出したら異様な目で見られる、空気を壊した者として3年間影で『あいつは空気が読めない』だとか『ノリが悪い』だとか言われる。だから皆空気を読み、本心を隠して生きているのだ。
『個性』を認め合えていたら私も……いや、もう過去のことだ忘れよう。
♢
「皆さん今日からこのクラスの担任を務めることになりました、
「それでは次は皆さんが自己紹介をして下さい!えっと…出席番号順だと
やはり自己紹介はするのか…まぁ一番目の言ったやつをテンプレートにして言えば問題ないか。
「はーい!名前は愛川実琴です、趣味はお菓子作りとかカフェ巡りとかです!よろしくお願いしま〜す!」
顔や体格などは似ていないが雰囲気がすごく似ている、美香ちゃんに……こう…人の目を無意識に自分に向けさせる、カリスマ性?みたいなものだろうか
そんな感じで何人か自己紹介をしていき私の順番が来てしまった。
「えとー早瀬凪沙です、趣味は特にありません、よろしくお願いします。」
どうせ皆私なんて見てないんだろう。まぁ趣味が無いのは本当だし別にいいだろう。
♢
「はい!じゃあ次は学級委員と委員会を決めていきます」
「まずは学級委員を決めていきます。二人必要なのだけど誰かやりたい人は挙手して下さーい」
教室は静寂で包まれた。当たり前だ、今日初めて顔を見合わせた人の前で堂々と『私やります!』なんて言うやつ居ないだろう。もしいるのだとすれば心臓が鋼でできているか、馬鹿のどちらかだろ――
「私やりまーす!」
静寂を切り裂いたのは実琴だった。彼女の持っているカリスマ性に気づいているクラスの人達はすでに『こいつで決定だ』みたいな顔をしている。おい、あと一人必要とゆう事忘れてない?
「あと一人必要なのだけど……実琴さん?誰か推薦したい人いないですか?」
「う〜ん…あ!」
誰か心当たりのある人物がいるのだろうか?
「じゃあ一緒にやろう早瀬凪沙さん!」
「え?わ、私?」
急に名前を出されてビックリした、とゆうかなぜ私?正直あまり人と関わりたくない。得に女子は……なので勿論お断りさせてもらおう
「いいよ、別に」
「本当!?嬉しい!」
え?私今なんて……なんで了承しちゃったの?………意味が分からない、なんで?なんでなんでなんで……?
まさか…実琴さんの雰囲気が美香ちゃんに似てるから、無意識に?いや!もう忘れろ私。あれは終わったんだ、もう未練なんて……未練…なんて……無い……はずだよね……?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
息抜き程度に更新していくつもりの作品なので、そこんところご理解いただけると幸いです。
こっちが本命⤵
〜女の子で女の子堕ちなんてあり得ない!〜親に毒を盛られTS女子としてお嬢様学校に入学することになった、そしたら百合ハーレムが形成されていた……
https://kakuyomu.jp/works/16818093075315571862
読んでくださりありがとうございます!
★やフォローなどをしていただくとモチベに繋がります!
頑張るのでお願いします!★!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます