第59話 最近また書いてる

ゲーム飽きたので。ところで小学生の時、同級生にクォーターのやたら大人びた子がいた。その女は片っ端から告白しては放置して反応を楽しむ悪魔みたいな女だった。


普通そんな非人道的な真似をしたら例え女だろうがタダでは済まないはずなのだが、その女はやたらと美人だった。小学6年にしてすでに完成されてるというか、彫刻みたいなツラをしていた。だからバッシングはされなかった。みんな多分、生物としての格差を思い知っていたんだろう。人はあまりに自分とレベルが違う相手には萎縮してしまう。


そんな女がある日、体育の授業のときに教室で着替えた。今ではありえないことだが、当時は男女同じ教室で着替えていたのだ。まあ小学校が小さく、一クラス10人も居なかったと言うのもあるのかもしれない。ド田舎の小学校だったという線もある。


ともあれ、女は俺の後ろで着替えた。さらにほかのクラスメイトは既にグラウンドで、教室には俺とその女だけ。


で、女は後ろをむく俺にこんなことを言うのだ。


見たければ見ても良いよ、と。


でも俺は馬鹿じゃないの?みたいな反応を返して、さっさと着替えて教室を出てしまった。


今でも悔やむが、なんで俺は振り向かなかったのか。

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