第41話 混浴サウナ
ルクセンブルグのトラムにはコークという駅があり、その目の前には大きなスポーツセンターがある。なんでも、ダイビングを学べる深いプールがあったり、オリンピックの選手が練習するような施設があったりで、とにかくルクセンブルグで一番大きなスポーツ関連の施設らしい。
一般市民でも入れるプールやサウナがあると聞いて、以前から気になっていた。
そしてある週末。友人が急に、ねえ、サウナに行かない?最近肩こりがすごいって言ってたよね。サウナ、効くよ!
おおー、待ってました。一人で行くにはちょっとハードルが高そうで、設備もよくわからないし、だったら行ったことがある人と行くのが一番だ。
取り急ぎ、一番大きなタオルと、使い切りのシャンプーやコンディショナー、化粧水など一通り考えられるものをバッグに詰め込み、いざ、出陣!
まぁ施設が大きすぎて、入り口がわからない。やっとのことで、入り口を発見し、友人と会うことができた。
まずはカードを作る。写真付きのカード。それにマグネットのようなものがついているらしく、支払いはこのカードで行うとのこと。
とりあえず、100ユーロをチャージして、サウナの入り口に向かった。
そこで友人が一言。
あ、そういえば言うの忘れてた。ここのサウナは男女混浴だから。一応、サウナの中以外は”カバー”することになってるけど、そのまま歩いている人もいるから驚かないでね。
え。混浴??
こんなに会社から近いところで、混浴のサウナに入ろうなんて、ちょっとどうしよう。会社の人がいるかもしれないじゃん!
柄にもなくモジモジしていると、友人が一言。ねえ、行くの、行かないの?行ってしまえばどうってことないし、大体若い子ならともかく私たちみたいなおばさんをじろじろ見る人なんていないから大丈夫。
確かに。どちらにしてもここまで来ちゃったんだから行くか。
シャワーを浴びていざ入ってみると、うわぁ本当に混浴だ。
でもみんなバスタオルを巻いたり、ローブを着たり、思ったほど露出度が高くなくてホッとした。
サウナでも、タオルを巻いたままの人も多い。カップルで来ている人も多く、確かに一緒に入れれば楽しいだろう。
サウナの後は、庭で日光浴。友人といろんな話をしていたら、隣の人に注意された。
ここはリラックスするところなんだから静かにしなさい。だと。
まだ話したりなかった私たちは場所をプールに移し、おしゃべりを続ける。サウナの中にあるプールは泳ぐためのものでなく、だらだらと温水プールに使ってゆっくりするところなのだ。
友人が言う通り、私たちのことをじろじろ見る人なんて一人もいない。
混浴と聞いた時はどうなることかと思ったが、これは病みつきになりそう。そう、100ユーロチャージして、今日の分20ユーロ引いてもまだ4回は来れる計算だ。
今度は勇気をもって、一人でお気に入りの本でももって来てみるかな。
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