霊能宇宙戦闘譚

常磐海斗・大空一守

第1話地球最後の町景色

「はぁ、宇宙人が侵略してきてもう五年かぁ~」


主人公である「三上 百恵」は、大きなため息をつく。


この世界、もう安全なところはどこにもない。宇宙人と呼ばれる 元 未確認生命体――オクタグラム―― この生命体が地球に出現したのは五年前・・・




「ねぇねぇ!!帰りに渋谷でなんか食べない?この前CIP(ニュース番組)見てたらなんかでっけぇジャガイモのタワーみたいなのがあるんだって!!」


百恵は大きな声で通学路に響き渡る声量でみんなに話した。


「百恵、声大きいよもう少し落ち着きなよ」


百恵の親友と呼べる存在 「篠山結衣」 が、呆れ気味で話を遮る


「これが落ち着いていられる!?テレビを見る限り、顔の大きさぐらいあるんだって!早く見てみたぁ~い!食べられるかどうかは別だけど」


「あんたの話の温度差は一週間内にエジプトと北極往復したぐらい寒暖差あるんよな」




時が止まった




沈黙が五秒ほど続いた  やべ、これやらかしたかもしれない。


「と、まぁ!意味不明な話は置いといて早速レッツゴー!!」


ごめんなさい、その言葉が一番傷つきます!


と、その時耳鳴りがした。


キィィィィィィ――――ン!!!


音と同時に、周りの建物が崩れ始める。地面が割れはじめ、百恵と結衣で二つに分かれた。


「結衣ぃぃぃ!!!」百恵が手を伸ばす。


「百恵ぇぇぇ!!!」結衣が手を伸ばす。


最大限まで腕をばしたおかげでその指先は、お互いの腕に触れた。


「「掴んだ!!!」」同時に叫ぶと体勢を立て直そうと叫びなおす。


何せ今は空中に浮いた状態だ。なぜか下からの強い風が吹いているからだ。


その時、一瞬目の前が真っ暗になった。 その時、手が離れ動きを制御できなくなった。


いや違う、何もかも制御できる。体が水の中にいるような感覚だ。


どんどん上に行くが、地面に足がつくと重力のおかげか何事もなく立っていられる。


なんで?結衣がこっちにいるのも気づいてないみたいだし、むしろ顔を抑えて見せないように隠している。


なんで?なんで?なんで? 困惑が頭の中に大量発生した。


今は困惑しかできない。空中浮遊・存在感の薄さ、さっき道端の驚いているおじさんに話しかけたけど、全く反応しなかった。


「おかしいなぁ~声ぐらい聞こえてもいいんだけどなぁ?」


百恵はいつもの癖の独り言を話し始める。


「空が飛べる。存在感がなくなる。声も聞こえない。うわっ!?」


百恵は驚いた。なんせ、降りてきた結衣が泣きながら自分の体を貫通して進んでいったからだ。


「あ、そうか。私、死んじゃったんだ」


それしか考えることがなかった。だって死んだ以外ならなんなんだよ、声が聞こえない以前でもうおかしいんだ。透明人間なら声は聞こえるし、超能力者なら姿、声が見えて聞こえる。仮に超能力が誤作動していたとしても声は聞こえるはずだ。


自分は死んでしまったと確信した。




五年後――――――東京都渋谷区駅前




自分は死んでからやることがなくなった。自分の葬式を眺めたり時々お盆の日にお墓にやってくる同級生を見るくらい。


こんなことなら幽霊になって夢見るくらいなら、そのまま死んで夢見ずに転生でもすればよかったのに。


「転生したいんですか?」


「そりゃ、こんなことなら転生……って、誰!!!???」


いきなり目の前に立ち話しかけてきた男は、黒髪でマフラーを深くまでかぶった好青年だった。


「こんにちは、私はオクタグラム・コード156930号、キキリです。」


皆さん人類の用語でいうと、宇宙人ですかね?」


「うううううう宇宙人!!!???」


びっくりするわ!!今まで五年間誰とも話が通じなかったのに急に話しかけられて驚きなのに、落ち着き暇もなく宇宙人ってカミングアウト!?


情報量多すぎて目が回るわ!!


「僕はあなたのような死んでしまい幽霊になって彷徨っている人達を導くために派遣されたゴーストオクタグラムです別世界に連れていく、生き返らせる以外なら何でもできます!!」


この時、私の本当の人生・・・いや、幽生が始まった。


てか転生できないんかい!!              ――続く――

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