1話完結 4月1日に幼馴染に告白された僕は嘘コクだと思い、わざとOKしましたが、そこから三か月いつまで経ってもネタバラシされないんですが?

マキマキ

エイプリルフール

「ねぇ…付き合ってくれない?」


照れながらも幼馴染の彼女は僕に真剣な愛の告白をしてきた。

しかし不幸にも僕は知ってしまっていた。

今日がエイプリルフールであることを。


***


「お~っはよ! いや~暑くなってきたね~」


「おはよ、そうだな、なんせもう七月だからな~」


4月1日、エイプリルフールに告白をしてきたのは幼馴染だった。

エイプリルフールに嘘をつくのはおかしいことではない、むしろ普通のことである。

だから、彼女の告白もその一つだと思った。

嘘コクだと思いながら、僕は彼女の告白に応じた。

しかしおかしい。

僕の予想では告白に応じたときに彼女から「嘘コクでした~、もしかしてガチだと思っちゃったの?笑」とすぐにネタバラシされると思ったのだが…

すでにエイプリルフールからは早三か月、今年も毎日のように最高気温を更新している中、いつまで経ってもネタバラシがされていない。いや、される気配が全くない。


幼馴染の彼女は毎日お弁当を作ってきてくれ、もう学校には俺たちは付き合っているのは周知の事実になっている。ここまで来たら逆に彼女がネタバラシしづらくなっているのではないのだろうか。

恋人関係を続けるにしても真実を知るため、彼女にエイプリルフールの告白の真相を教えてもらうため、一緒に下校している間に聞いてみることにした。


「あのさ、いつになったらネタバラシしてくれるの? もしかして、友達とかみんなに広まっちゃったから、言えなくなっちゃった感じ?」


彼女から返ってきた言葉は…


「ネタバラシって? いったい何のこと?」


「え?」


「え?」


「「え?」」


彼女も何を言われているのか本当に分からない様子で自然と足が止まる。


「告白してきた日覚えてる?」


「うん、もちろん」


「じゃあいつ?」


「忘れもしないよ、4月1日でしょ?」


「その日って世間一般的に何の日?」


「エイプリルフール?」


「そう、だから告白も本当は嘘だったんでしょ?」


「………え? 何で嘘コクって事になってるの?」


「だってエイプリルフールでだったし…」


4月1日に告白されたら誰だって嘘コクだと思うだろう。


「あのさ、エイプリルフールって午前だけって知ってる?」


「………は? え?」


「エイプリルフールで嘘付いていいのって午前だけなんだよ?」


その信じ難い事実を突きつけられ、視界がぼんやりしてくる。

じゃあ、告白してきたのは本当だった…の…か…?

確かに彼女から告白されたのは午後二時を過ぎてたはず…

だんだんと勘違いしていたのは自分という事が分かってきて血の気が引いてくる。


「もしかして嘘コクだと思ってたの?」


素直に勘違いしたと認めた方が幼馴染も許してくれるだろう。


「………うん」


「じゃあ何で、嘘コクだと思ってたのにOKしたの?」


「それは…」


本当は自分が先に言いたかった言葉を初めて口にする。


「ずっと前から好きだったから」


「良かった…私だけの片思いじゃなかったんだね」


今回の一件で僕が学んだ事はエイプリルフールの嘘は午前までしか付いてはいけない事だ。

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1話完結 4月1日に幼馴染に告白された僕は嘘コクだと思い、わざとOKしましたが、そこから三か月いつまで経ってもネタバラシされないんですが? マキマキ @makimaki0318

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