当代最強の責任

嵐山田 

序章

世界森林化現象、一説には地球の自発的な拡張ともいわれるこのありえない現象は西暦三千年初頭に起こった未曾有の大災害である。


 この現象によって現れた木々や様々な植物は圧倒的な大きさと浸食性を持ち、人類の生活空間の三分の一ほどが生活不能空間となってしまった。

 この植物たちがただの植物だったのなら、燃やすなり、枯らすなりすることで対処は可能だったのだろう。


 しかし現実はそう甘くなかった。

 その植物林は圧倒的な再生力を持ち、さらには魔獣と呼ばれる異形な怪物までもが発生していたのだ。


 この結果当時軍事的に強大な力を持っていた軍事的強国は、新たなる自国の領土、自由にできる生活拠点を求めて世界各国に侵攻を開始。これによって数世紀前まで二百近い国が存在していた地球上から、半分以上の国が強国に取り込まれる形で消滅した。

 日本ももちろん強国の侵攻対象だったが、世界森林化現象のもたらした唯一の恩恵ともいえる力、「魔法」によって、日本はこの侵攻を退けたのだった。

 この侵攻を退けるにあたって、日本の防衛に大きく活躍したと言われる十人の魔法使い、彼らは自分の魔法から新たな苗字を名乗り、現在もその魔法は引き継がれている。


 これは新たなる時代、世代の十人による魔法と世界の物語である。



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あとがき

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