隷勇割拠の終末記
文月ヒロ
第1話世界から見放された男の話
《勇者》との戦争なら、こちらも同じ《勇者》で対抗すれば良いだろう、なんて無茶をほざく馬鹿がたまにいる。
相手は100年前、突如として異世界から地球へ侵略に乗り出し、たった数人で世界を絶望に陥れた怪物。
対して《隷勇》は、その化け物とこちらの人間の血が混ざっただけの
一対一はおろか、多対一ですら、大量の犠牲を覚悟で挑んでも勝率が高いかと言われれば正直ビミョーだ。
この前の作戦でも、腕力自慢の
敵の足止めも失敗したらしい。
まぁ、会う度にでかい図体を脅しの武器にして、人をパシリにするようなクソ腹立つ連中だったので、ざまぁみろというのが本音だけれども。
ともあれ、あの災害のような
ただ、そんな風に考えている
「識別ナンバー:
世の中、馬鹿ばっかだ。
「はぁ?」
青年――
上司といっても年は自分とそこまで離れていないし、性別は男ではなく女だ。
それも飛び切りの美女。
サファイアのような青い瞳と髪に、すらりと長い手足、何より胸元の膨らみが素晴らしい。
普段ならば猫撫で声ですり寄り、あわよくば……なんて本能に忠実な考えで動くのだが、今日は違う。
「おいおい上官殿、もしかして俺に《勇者》と戦って死ねと言いやがりましたかねぇ?冗談キツイぜ。有り得ねぇ、あぁ有り得ねぇともそんな作戦。ふざけんじゃ――ぶヘェエッ!」
盛大に、全力で抗議の声を上げている
情けなくも吹き飛んで転んでいった青年。
そんな彼の頭を、凶悪な高さ10センチのヒールが踏み付けた。
「黙れこの無能が。何が有り得て、何が有り得ないかはこの私が決める。空が燃えるか否かも、海が枯れるか否かも、この私がな。貴様はただ、何も考えず駒として動けばいいのだ」
視線を上に向ければ、上官の美貌が、道端を這いずるゴキブリでも見るように
「それで、いつまでそこで寝転がっているつもりだ、序列最下位の《隷勇》。貴様の居場所はここでないだろう、さっさと起き上がって戦場へ向かえ!」
――あとがき――
文月です。
紹介文にも書いているように、ゆるーくやって行こうと思います。
面白かったらば、★評価、フォロー(作者/作品どっちでも)、応援などなど頂けますと作者が喜びます。残念ながら、それ以上の事は何もありません、投稿ペースも早くなりません。
精々、来年も書こうかなって思うくらいです。
宣伝です。
『アンデッド・ゲームズ・メモリー~時間遡行を果たし、俺だけ強くてニューゲームな世界で、死の運命から幼馴染を救う~』っていう作品を書いています。
連載作で、現在2024年4月時点では、ざっと70話を超えております。
もしも暇で仕方がない、という方がいらっしゃれば、多分暇潰しになるかと思います。
ご興味があればどうぞ。
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――あとがき・終――
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