やり始めればキリがない
父方の実家を継いだ叔父が早逝して四十九日も過ぎたころ、しばらく誰も手入れしていなかったせいで庭の花壇に植わっていた花が軒並み彼はてていたのを不憫に思い、せっかく住むことになったのだから何か代わりに植えようと色々と揃えて土を掘り返していると、しばらく堀ったあたりでどうにも不機嫌そうな顔をした叔父の生首が出てきて、それに驚くのも束の間、大切にしていた庭がこのザマでは仕方がないと納得して、せめてもの機嫌取りに買ってきた苗を見せると叔父の生首は一転笑みを見せ、花の植え方やら育て方を教えてくれたうえ、その後も縁側から庭を眺め、俺が水をやるのを忘れるたびに叱責してくるので、いつの間にか庭には色とりどりの花木が映えるようになっていた。
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