勝った方の良いように

 引っ越してきてからというもの、深夜にふと目が覚めると背中のほうから女とも男ともつかないささやき声が聞こえてくるせいで目が冴えてしまって、翌日は寝不足なので恐怖よりも怒りが湧くのだが、気づいていることに感づかれてはならないような気もするので、俺の忍耐力と奴の粘着の根比べになっている。

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