ドラゴンハート

プロローグ

　冒険者。かつて神々が暮らしたと言われる大陸パンゲアに神々の秘宝を求め、大陸に挑む者たち。

　彼らの始まりは普通の生活を送るのに後ろ暗き者達だったと言われているが、今では多くの人々がパンゲアの秘宝を求め、そんな彼らを支援している。

　パンゲアの秘宝には全治の妙薬、無限の水釜、空を飛ぶ絨毯など未だ底知れぬほどのお宝が眠るが、なかでも多くの人々が欲する秘宝が一つ存在する。

　それこそが竜の心臓だ。

　パンゲアに生息する普通とは思えぬ力を扱う生物、魔物。今では世界中に分布した獣達の中でもまだパンゲアにしかその存在を確認出来ない、魔物の王。

　それが竜、ドラゴンだ。

　魔物の身体そのものが秘宝と同じほどの価値を持つ生き物は数多存在するが、竜の身体はそのすべてが無駄にするところが無い。

　なかでも竜の心臓は別格の力を持つ。

　その力は死者の蘇生すらも可能とする。

　第三次侵攻で冒険者の互助組織ギルドの『明星』その団長、黒剣のブーゲルがパンゲアにて竜と交戦、相手に重傷を負わせるも自身も負傷により撤退。

　ブーゲルはその後、後遺症で冒険者を引退。

　それから十五年が経とうとする現在、竜はそれ以来見つかっていない。