スーパーゲームボーイ(任天堂・1994年)
プレイ時期:発売当時
ソフト入手:新品で予約購入
クリア状況:-
おすすめ度:★★★
*
ゲームボーイソフトが、スーパーファミコンを経由してテレビ画面で遊べる! 雑誌の告知で存在を知ったとき、「ゲーム機ってこんなこともできるのか!」と、ちょっとしたカルチャーショックを受けた。もう電池切れを気にする必要もないし、小さい画面に悩まされることもない。
本来は周辺機器のカテゴリだが敢えて「ゲーム」カテゴリで扱ったのは、これが単なる周辺機器で終わっていないからである。まず、ゲームボーイは4階調の液晶画面が使われているが、スーパーゲームボーイではその4色に好きな色を当てはめることができる。デフォルトの配色から選択するのみならず、自由なカスタマイズも可能。お気に入りの配色は12桁の数字として保存されるのですぐに再現できる。
普通は4色のそれぞれに、順番に濃淡を当てていくのだが、敢えてセオリーを破ることもできる。たとえば、本来は白い背景色を黒系にすると雰囲気ががらっと変化する。4階調を敢えて2色だけにする(濃い2色と、薄い2色を同じにする)と、ゲーム&ウォッチのようなレトロな雰囲気になる。背景と文字を同じ色にすると当然読めなくなるので、ある種の縛りプレイにも使える。
背景選択も可能。こちらも自由にお絵かきするモードがある。描いた絵の保存はできないのであくまで「落描き」という扱いなのだが、驚くべきことにゲーム画面の上にも描くことができる。当時のゲーム雑誌では「テトリス等の落ち物パズルで次のピースを隠すことで難易度アップ」という提案を見た覚えがあるが、単純にゲーム画面に落描きするだけでも楽しかった。
これらの配色や背景の操作は2コンでも可能。言ってみれば、あらゆるゲームが二人プレイに対応するようなものである。ゲームに介入するわけでもなく、手持ち無沙汰で画面をいじる程度だが、子供の頃はこれが妙に楽しかったのを覚えている。今思うと、テレビゲームはおもちゃであるという、任天堂の遊び心をダイレクトに感じていたのかも知れない。
そもそも、ゲームボーイという狭い画面でしか見られなかったものを、テレビ画面で共有するというだけでもゲーム性が大きく変わる。アドバイスをもらったりコントローラを回すことで、一人ではクリアできなかったゲームもクリアできるようになる。
任天堂機ではSwitchによって、携帯ゲームと据置ゲームの垣根が完全に消滅した。同じゲームを携帯機でもテレビ画面でも遊べるという発想の原点こそがスーパーゲームボーイであり、歴史的な意味合いは大きかったと思う。もしもゲームボーイでしか遊んだことのないソフトがあったのなら、ぜひ一度テレビに映して遊んでみて欲しいものである。
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