14 楽しい思い出
「それにしても、なんで紫なんだろうね。犬なら白、黒、茶色とか……いろいろあるのに」
「コルチカムさんが好きな色なんじゃないですか?」
「……うん、だよね」
コルチカムさんの店も三番地区にあるけど昨日の本屋とは離れた場所だ。ナンさんからもらった三番地区の地図には赤い印がついている。ここがその店だと思う。印を確認しながら歩いていると、ドア以外全て真っ白な店を見つけた。ドアだけは黒で、上の方には紫の犬が描かれている。
「コルチカムさんいるといいね。どんな人なのかな」
「ここの店、ほかとちがって真っ白ですね。ほかは黒なのに」
「異質というかなんというか……。じゃあ開けるよ」
僕はドアを開けた。中に入ると、紫の髪のきれいな人が立っていた。
「いらっしゃいませ。……ナンの紹介で来る子って君達?」
「はい。コルチカムさん、ですよね」
「……そうだよ。えーっと? 君がヒユで、後ろにいるのが飴の子……じゃなくてドロップだね。よろしく」
コルチカムさんは「何食べたい? 大体のものは置いてあるよー」と言って僕たちを広い部屋まで連れてきた。店と聞いていたけど内観はよくある家のような感じだ。僕もドロップも特に食べたいものは無かったけど、遠慮しないでと言われたのでとりあえずクッキーをお願いした。
欠陥 達のx地 なのぐらく @Ng9
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