第15話 ジュンタにもテンプレ
昨日ジュンタは冒険者登録試験に合格し、正式に冒険者登録をする事ができた。そして、受付嬢から登録をした翌日に新人冒険者に向けて「新人基礎講座」なるものを開くと聞いた。
ハルド「おはよう。どうだ、3日ぶりのベッドは?」
ジュンタ「おはよう。やっぱりテントとは寝心地が全然違うよ。屋根の下で寝られることの有難みを感じた。ありがとね。居候させてくれて。」
ハルド「良いってことよ。飯にすんぞ。」
2人で手際よく朝食の支度をし、食事をする。
ハルド「今日は『新人基礎講座』に行くんだろ?」
ジュンタ「うん。冒険者の最低限の知識を教わるって聞いたけど、具体的な内容はなんだろう?ほら、ハルドも登録したての頃にきっと参加したでしょ。」
ハルド「そうだな。まずは昨日聞いた冒険者の活動とギルドの説明だな。それから、魔法やスキルの詳しい話、あと依頼の受け方とか注意点など色々教えてくれるぞ。まあ、一般講習で同じこと聞けるけど、新人講座と違って金取るからな。」
ジュンタ「なるほど、新人だけ無料で受けられるのか。ハルドは今日どうするの?」
ハルド「クエスト受けに行くに決まってんだろ?」
ジュンタ「それもそっか。」
ハルド「じゃ、俺は先行くわ。ちゃんと戸締りしろよ。」
ジュンタ「うん、分かった。行ってらっしゃい。」
ハルドが先に食事を終えてクエストを受ける為に家を出た。
ジュンタ「さて、俺もそろそろ行くか。」
しっかり戸締りをし、忘れ物がないかを確認してから家を後にした。
冒険者ギルドに着いたジュンタは会場である会議室へ移動する。会議室は普段クエストの擦り合わせをしたり、有事の際のギルド職員たちの会議をしたりする場所である。また、時々他都市から重要な客を招くいわゆる応接室の役割も兼ねている。そして、トップシークレットを扱う事もある重要な部屋でもある。
そんな会議室の扉を開いて中に入ると1人の女の子がこちらに気づく。
シーヤ「あ、ジュンタさん。おはようございます。」
ジュンタ「おはようございます。シーヤさんも講習に参加するんですか?」
シーヤ「はい。」
ジュンタ「でも、シーヤさんは登録したてでは無いですよね?」
シーヤ「はい。でも、新人講座はEランク冒険者なら誰でも参加出来るんです。ただ、私は登録して1週間以上経ったから一般人の半額ほどお金がかかりますが。」
ジュンタ「なるほど。」
しばらく談笑していると参加者だと思われる冒険者が話しかけてきた。だが決して友好的な感じではなく、寧ろ嫉妬に塗れた表情で絡んでくる感じだ。
???「おい、扉の近くで話してんな。邪魔なんだよ。」
シーヤ「ごめんなさい。」
ジュンタ「すいません。場所移動しますんで。」
???「ホントだよ。人が通るとこでイチャついてんじゃねーよ!」
???「だいたい、ここはデートスポットじゃねぇんだ。そういうのは買い物でやれっての。」
ジュンタ「別に、そんなつもりでは…あと俺たちはそんな関係じゃないです。」
???「それに同じEランクの癖に女連れてんのが気に食わん。ってよく見たら結構可愛いじゃねぇか。どうだ、そんななよなよした奴よりも俺の方が将来性あるぜ?」
絡んできた男がシーヤの手を掴んた。そのまま強引に自分に引き寄せようとする。
シーヤ「嫌っ!離して下さい!」
???「何でだよ!さっさとこっち来いよ!」
ジュンタ「やめてください。」
乱暴な男がか弱い女の子から引き剥がされた。知り合いが嫌がらせされるのは見るに堪えないのである。
???「なっ、テメェ離せ!」
ジュンタ「どの口が言うんです?ここはナンパするには相応しくありません。貴方こそ、“そういうの”は町でやったらどうですか?」
???「ふ、ふん!第一、Eランクの女なんて俺に相応しくねえし…」
ナンパに失敗するや否や、男はそそくさと会場を去っていった。
シーヤ「ジュンタさん…すいません、また助けてもらって…。」
ジュンタ「そんな、謝らなくたっていいですよ。ナンパがダメなのは万国共通ですからね。」
謎のナンパ男を退けてから程なくして、今回の新人講座の講師が入室してきた。
ラルス「新人冒険者の皆さん、おはようございます。」
ジュンタ「え、ラルスさん!?」
シーヤ「お知り合いなんですか?」
ジュンタ「はい。2つ目のテストでお世話になった人です。」
講師が知り合いなのはジュンタにとって結構驚きだった。そして、2人が少しヒソヒソ話している間にラルスが簡単に自己紹介をする。
ラルス「それでは今日一日『新人基礎講座』の講師を務めます、ラルスです。今から講習を始めます。」
ここで新人にとって欠かせない冒険者としての知識やマナーを教わっていく。今後に備えてジュンタとシーヤはラルスの話に耳を傾けるのであった。
To be continued
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます