第3話 少女
「ハハハハ、琥太郎、謝ってやんな。ハハ…」
腹を抱えて笑う少女が井手に小声で言う。井手はびっくりしたかのように目をみひらく。
「なんで俺の名前知って…」
「そりゃ、知ってるよ。みんなの名前もだけどね…。ね?井手、琥太郎くん?」
女の子くすくす笑いながら言うと、井手はびっくりして戸惑いながらも急いで頭を下げた。
「すみませんでした」
私はホッと胸を撫で下ろす。しかし、誰かもわからない謎の少女を見て私は首を傾げた。
(うーん…どこかで…会ったことあるかな?もしかして、女優…さん?)
ふとそう思い、兵士の方をチラッと見る。
(…違いそう?…じゃあ…ここはどこ⁈)
隊長は「フンッ」と言った後、女の子に向き直った。
「なぜ、このような場所においでになられたのですか?あなた様であれば、このような場所に…」
「稽古をしてた時にこちらで、その…音が聞こえたからだよ」
そう言って女の子は、ウインクをしてきたが、みんなは意味がわからず首をかしげた。
「この方々は私の友人だ…手を出したら。分かるね?」
隊長たちはゴクリと喉を鳴らした後、何度もうなずいた。それを見届けた女の子は、私たちに向き直った。
「みなさん、ようこそおこしくださいました。まずは城内へ入りましょう。」
女の子はにこりと笑った。女の子の笑顔に懐かしさを感じたのは気のせいだろうか?
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