g現実と生命体シンドローム

裸のプラントエンジニア

第1話

目を綴じると、否応なしに、あの光景にすうっとひっぱり戻される。乾ききった砂漠地帯の土手っ腹にぶっ刺さった金属系の超巨大円盤。本当に俺の経験なのか。記憶なのか。いつのことやら思い出せないが、包まれるような太古の温もりのなかで、かすかに輝く研ぎ澄まされた生への執着、それを狙いくる途方もない絶望感、あるいは虚無感。それらは我が深層心理の核として常に存在している。しかしあの光景は僕にとってまがいもなく我が現実の一部であって、それは現実を超えた現実、いわゆる超現実。そう、あの光景こそ、我がシュールレアリスムの象徴なのである。最近、この光景のフラッシュバックがやけに多い。そして、ぼんやりしていた各々の様相がくっきりしてきているように感じる。いままで避けて生きてきたが、我が世界がいろいろと整ってきた今こそ、いよいよ奴と対峙するタイミングなのかもしれない。

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