引き継ぐ君の異世界譚。
猫又 黒白
プロローグ
僕は、正しいことをしたと思っている。
16年の人生、悪い意味でもいい意味でも、特に何か特別なことがあった訳でもない人生。
親には何不自由なく育ててもらって、友達はそんなに多い訳でもないけどいい奴らに恵まれて。
飽きてきたって思ってたゲームも、もうできないと思うと悲しいというか、悔しいというか。
とにかく、悔いのない人生、という訳じゃないけど、いい人生だったと思う。
だからこそ、あの時、咄嗟に足が動いた。
人は心に余裕があると、人を助ける事とか、とにかくいい事をするのに少し積極的になると思う。
僕は正義感が特別強いわけじゃないけど、目の前でトラックに跳ねられかけている人がいたらそりゃ助けるよ。
後先考えてたら、話は別だけど。その時は考える暇もなかったから。
赤信号を無視してひかれかけてるなら、自業自得かなって少し思ったりもするけど。歩道を歩いてただけなのに、トラックにひかれるなんて理不尽な話じゃないか。
けど、寂しいな。もうあいつらにも、母さんにも父さんにも会えないんだな。
まあでも、これは天国に行けるんじゃないかな。
あはは…は……。
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