その名は 「GAVV」




 ※以下の内容には平時にも増して濃い内容――即ち、『オタトーク』と呼ばれるものが展開されています。


 専門用語も多量に含まれている為、少々読みづらい箇所が存在するかもしれません。


 この事を念頭に置いた上で読み進めて下さい。





 ◆◆◆


 先日、ついに新しい仮面ライダーの名前――「仮面ライダークウガ」から数え、実に26人目となる新たな主役の名が公開された。


 その名も、「ガヴ」。


 2024年9月から2025年8月下旬まで、毎朝8:00から三十分間放送されるニチアサの番組名は、「仮面ライダーガヴ」に決定した。


 今回は、この新しい仮面ライダーに関して判明している事柄を公式サイトを参考にして書き殴っていきたいと思う。浪人生なのに何をやってるんだ、という葛藤も当然あったのだが、どうしても抑えきれなかった。まぁこれくらいは良いはず。(適当)


 筆者の知識もライダー界隈の中ではそれなりという自負がある。何ならいつか仮面ライダーを下地にした物語を書きたいと思っているくらいに。過去の事例・作品紹介も交えつつ、様々な要素や考察を散々に語っていきたいと思う。(多分無理だと思うが)この記事が「仮面ライダー」に興味を持ってくれた端緒となったのなら、嬉しい次第だ。


 なお、「仮面ライダー〇〇」と固有名称のみの「〇〇」と表記されている箇所が所々見受けられると思うが、それぞれ、作品名そのものとその作品に登場するライダー個人の名前を区別するものである。


 また、この考察は既に発表された番組ポスターやベルトの販促画像を元にしている。出来ればそちらを先に調べてから下へと読み進めてほしい。




 ◆名称・モチーフについて


「ガヴ」。


 いかにも食べ物をガブガブしてそうな名前である。


 それもそのはず、今回の仮面ライダーはなんと「お菓子」をモチーフにしているのだそう。主人公のライダーの菓子モチーフは「グミ」。それもブドウ味。過去作の類似例が全く無いためか、どんな話の内容になるのか皆目見当もつかない。


 ちなみに、令和に入ってからの仮面ライダーのモチーフは以下の通り。


 ・令和元年〜令和2年

「仮面ライダーゼロワン」:動物


 ・令和2年〜令和3年

「 〃 セイバー」   :物語、本


 ・令和3年〜令和4年

「 〃 リバイス」   :動物


 ・令和4年〜令和5年

「 〃 ギーツ」    :動物


 ・令和5年〜令和6年

「 〃 ガッチャード」 :森☆羅☆万☆象


 ・令和6年〜令和7年(予定)

「 〃 ガヴ」     :お菓子(?)



 こうしてみると、令和ライダーには動物モチーフのライダーが非常に多い。また、セイバーは本、ガッチャードは森羅万象と書いてはいるが、彼らの初期フォームのモチーフはそれぞれドラゴンとバッタであるので、五人全員が動物に倣ったライダーであると言える。


 ただし、ガヴの見た目は何となくウサギやコウモリ、狼や犬に近い感じもするため、動物モチーフでないとは言い切れない。


 二文字の名称だと主役ライダーでは「キバ」で17年ぶり、脇役ライダーでは「仮面ライダーセイバー」に登場した「最光」以来なので4年ぶりという計算になる。また、前年の「仮面ライダーガッチャード」に続き、二年連続で「ガ」から始まる仮面ライダーということになる。




 ◆見た目について


 さて、気になるのはやはり見た目、一目で「カッコいい」と分かるかどうかは当然超大事。


 番組ポスターを見てみると……成る程、カッコいいとは言い切れないかもしれないが、ダサくもない。無難な見た目、といった印象である。


 ぷるぷるとした弾力がありそうなボディ。スーパーの駄菓子コーナーで必ず見かける、知育菓子のグミのような怪しい色合い。加えて、グミのようにツブツブとした各部のアーマー。なかなか面白いデザインである(上から目線)。


 基本形態の例にもれず、ガワ自体はかなりシンプルである。とりわけ胸の外装は、「ゼクトトルーパー」や「デモンズトルーパー」といった量産型ライダー(筆者注:その作品内の背景技術において量産されているライダーの事。基本的にスペックが低く『雑魚キャラ』のイメージが付き纏う。)にも近い印象を受けた。肩の外装が大きく張り出ている点に関しては少し珍しいと言えるだろうか。配色もハデハデで前作や前々作の「ガッチャード」や「ギーツ」と比べて少しイロモノ感が強い。


 顔の見た目はかなり「キバ」寄り。筆者が個人的に似てるなぁと感じたのは「仮面ライダーギーツ」に出てきた「ブラーリ」。いずれもコウモリモチーフである。さらに、フェイスのデザインも相まって、何だか「ゼロワン」の派生形態感も強い。


 ネットなどを見る限り、見た目が奇抜過ぎて荒れた「エグゼイド」や、ご当地ヒーロー然とした色合いが議論を巻き起こした「セイバー」程荒波が立っている気はしない。

 ただ、新しい仮面ライダーが発表されるたびに「なんか違う」と炎上するのは毎年の恒例行事である(最近は少なくなってきたが)。「動けばカッコイイ」が仮面ライダーの伝統である。今後のアクションに期待しよう。(ただし鎧武の1号アーマー、テメーはダメだ。)




 ◆ベルトについて


 今回の変身デバイスは「変身ベルト」と公式が直々に命名している。これが地味にすごい。何と、主役の変身デバイスが「変身ベルト」と呼ばれるのは「仮面ライダーキバ」から実に17年ぶりなのである。昭和ライダーに慣れ親しんだ方々はびっくり仰天するかもしれないが、ここ15年以上はずっと「ドライバー」呼びだったのだ。


 令和ライダーの主役のベルトの名前をまとめると…


 仮面ライダーゼロワン  :飛電ゼロワンドライバー

  〃   セイバー  :聖剣ソードライバー

  〃   リバイス  :リバイスドライバー

  〃   ギーツ   :デザイアドライバー

  〃   ガッチャード:ガッチャードライバー

  〃   ガヴ    :変身ベルトガヴ(変更される可能性アリ)

 

 となっており、「変身ベルト」の呼称がいかに近年のライダーにおいて珍しいかが分かると思う。


 さて、ベルトの見た目についてである。このベルト、見た目は明らかに「口」。何なら目もついているので、一つの生物のようにも見える。こころなしか獅子舞に似ているようにも見える。


「目」が付いているとなると、先ほどから何回も引き合いに出されている「キバ」のキバットベルトや「ゴースト」のゴーストドライバーを私は想起する。また、ベルト横のいかにも回転できそうな取っ手は、「ビルド」のビルドドライバーを思い起こさせる。


 続いて、ベルトの中にちょこんと収まっている、謎の変身アイテムについて。


 公式サイトを見ると、本作の番組概要にはこのようなアオリが載せられている。


 『お腹にはまるで”口”のようなベルトが、そして中には《ゴチゾウ》とよばれる、謎のミニモンスターの姿がのぞいています。ゴチゾウはガヴにとってどんな存在なのか!?そしてガヴはどんな変身を見せてくれるのでしょうか!?』


 どうやらこの小さい奴は「ゴチゾウ」と呼ばれているらしい。目口に加えて、手足もついている。これは完全に私の妄想だが、主人公の周りで「ゴチゾウ」達(他にも何体かいるのを確認)がぴょんぴょんと陽気に飛び跳ねているのを想像してしまう。様々な過去作の絵面の記憶によるものだろうか。



 

 ◆設定について


 正直、ここで語れる内容はかな〜り少ない。


 なんせ物語のあらすじや主演俳優どころか、作品の脚本家まで未だ発表されていないのだから。


 更に言えば、現在公式サイトにアップされている番組ポスターからも読み取れるコトが殆ど無い。


 例年の番組ポスターを調べてみれば分かると思うのだが、普段は主役の仮面ライダーに加えて、アイテム・他のライダー・登場人物が映り込んでいたりと、何かしら本編で絡む要素が一緒に入っている。


 だが今年はどうだろう。映っているのは主役の「ガヴ」ただ一人。他ライダーどころかアイテムさえも画の中に存在しないので、これでは考察のしようもない。(後述するが、この情報量の少なさは発表時期の早さに起因していると思われる為、後々差し替えになる可能性もある。)


 ……ただ、全く考察出来ないかというとそれも違う。


 ポスターの背景を見てほしい。そう、よくよく見ると「ガヴ」はガラスを向こう側から突き破り、赤熱した足を掲げてこちらにライダーキックをキメているのだ。『今年は俺が仮面ライダーだァ!!』と言わんばかりのアップである。


「ガラス」或いは、「鏡」と言えば、大抵の特撮ファンは「龍騎」のミラーワールドを想像してしまうが、流石に二十数年前の設定の流用は(もう何回もコラボしている事も踏まえて)あり得ない。しかし、今回の作品において「ガラス」或いは「鏡」が何らかの関連があると見て間違いない……と言えるかもしれない。




 ◆その他


 気になっている事を二つ。


 まず、発表時期の異例の早さに関して。


 通常、新ライダーの公式発表というものは、既存の放送が終了する9月下旬の大体一ヶ月前くらいにやる事が多い。うろ覚えで不正確だが、「ガッチャード」や「ギーツ」の公式制作発表は、確か8月に入ってから大々的に情報を全面解禁していたはず。今回の発表がいかに時期的に早いかがよく分かる。


 考えられる可能性としては……、一つしかない。恐らく、流出情報による不必要な混乱を阻止する為ではないだろうか。


 実をいうと、「仮面ライダーガヴ」が次に放送される事は、6月初旬辺りの時点で既にネット上に出回っていた。

 コレ自体は何ら不正などではなく、単に商標登録ページを熱心にパトロールしている物好きが、ネット上へ情報を流したというだけの話。(正式発表ではない情報を得意顔で公表するのもどうかと思うが。)


 ここまでならまだ目を瞑っておけるかもしれないが、この状態から更に厄介な現象が発生する。即ち、まだ発表されていない情報のリークである。


 企業(東映)の構造に詳しくない私には、一体なぜそんな事が起こってしまうのか全くわからないのだが、事実として、それは毎年発生している。


 大体の流出情報はそもそもがガセ、或いはまだデザインが制作サイドでも固まっていない時期の資料などで、信用するにも値しない、クスッと笑えてしまう妙ちくりんなものだ。何なら大部分の特撮ファンはこれに連なる一連の騒ぎ(ガセ情報による次のライダー予想のコラ画像祭りなど)を楽しんでいるフシがある。しかしながら、当然企業としては、この違反行為が毎年のようにまかり通っているのを放置しておくわけにはいかないだろう。よって、こうしてリークされた情報が出回る前に、公式が予め最低限の情報を流しておく事で、正確性や信頼性を担保する手に出たのではないだろうか?


 次に、今作の脚本家について。


 公式サイトを見れば分かると思うのだが、スタッフ欄のページにはなぜか脚本家にあたる人物のみが記載されていない。監督やプロデューサーの名前が明かされているにも関わらず、だ。(ちなみに一昨年の「ギーツ」発表時には公式サイト設営の時点でしっかり明記されていた)


 これについて、ネット上では様々な憶測が議論を呼んでいる。その中で最も信憑性の高い(というか大多数が信じている)のは、「外部から特撮的にはかなり意外な人、或いはこの界隈での有名人を連れてくるのでは??」という考察である。


「外部からの特撮的にはかなり意外な人」とは、言い換えれば、知名度はあるが特撮に携わったことの無い人の事を指す。


 私は特撮以外のドラマ事情に関して全く見識が無いので具体的にどんな人物が当てはまるかは分からないが、ネット上に出回っていたトンデモ説としては、なんと「Fateシリーズ」で有名な「奈須きのこ」氏や、アニメ制作で名が知られている「花田十輝」氏が脚本を務めるというものがあった。


 流石にこれは無いだろうが、絶対にあり得ないとも言い切れない。過去には、「仮面ライダーブレイド」前半のメインライターを担当した「今井詔二」氏や、「仮面ライダー鎧武」の脚本を担当した「虚淵玄」氏が、特撮としては異例の人物として挙げられる。それぞれ過去に刑事モノ、アニメなどを手掛けていた人物であるので、どの界隈からどんなビックリな人がやってくるかは、誰にも分からないのだ。


 それから、「この界隈での有名人」について。


 真っ先に挙げられる人物として、「小林靖子」氏がいる。「仮面ライダー電王」や「仮面ライダーW」など、ライダーシリーズの中でも評価が高い作品を世に送り出した事で有名だが、最近は特撮界隈において音沙汰がない。一説には、年を経るごとに厳しくなっていく販促事情に対応して脚本を作ることに嫌気がさしたとも言われている。


 また、平成仮面ライダー初期の作品群を担当した「井上敏樹」氏も挙げられるかもしれない。平成ライダー初期の黄金時代を築いた人物ではあるが、近年は仮面ライダーシリーズのメインライターは担当していない。直近でメインライターを担当した「暴太郎戦隊ドンブラザーズ」から3年が経とうとしている現在、再びライダーシリーズにカムバックしても何ら不思議ではない。


 他にも、ネット上には「東出祐一郎」氏や「櫻井武晴」氏などが、特撮に関わった事のある人達の中で現タイミングでは意外な人物として挙げられていた。もう一度言うが、これらはあくまでも想像の範疇を超えないもので、事前情報や匂わせも全く無いので詳しい事は何もわからない。完全なる妄想である。



 ◆最後に


 頼むから良作になってほしい。


 何を当たり前のことを、と思われるかもしれないが、私は切にそう願っている。まだ5作品しか出揃っていないシリーズにケチをつけるのもアレだが、令和ライダーは手放しで「良作」と褒められるものが少ない。安定して面白さを持続出来ていたのは「仮面ライダーギーツ」くらいで、その他の作品は駄作ではないにしろ、毎話の面白さにかなりのバラツキがあった。


 見ていない作品を批評するのも憚られる事だが、例えば「仮面ライダーセイバー」においては神作と駄作の振れが余りにも激しすぎた。「仮面ライダーリバイス」においても同様に脚本の出来がシーズン毎に乱高下を繰り返した。他二作品も似たような評価を受けている…らしい。


 ただ、ガッチャードに関しては(俳優の演技の拙さを除いて)脚本においては割と好意的な評価をよく見かけるので、わりかし成功した部類に入る。この流れをどうか崩さずに次の作品へと繋げてほしい。


 個人的な感想だが、この受験が順当に終われば仮面ライダーへのリアタイ復帰作品はこの作品という事になる。数ヶ月見ていない分の設定を理解するのは大変だが、それはもう仕方のない事だ。この作品が良作に収まるのを願うと共に、私の成績も良好に収まることを願おう。



 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



 書き終わった後に気づいたのですが、新しい宣伝ポスターが丁度今日(7月7日)の朝に仮面ライダーWEBの方にアップされていました。


 全く鏡要素関係なさそうですね…(笑)他形態も見れば見るほどゼロワンの派生に似ている気がします。(スパーキングジラフ、フリージングベアー、ブレイキングマンモスなど)


 テレビ朝日のポスターと比べると、足先に爪が追加されていたりと僅かな変更点も見受けられます。有機的なパーツに加え、機械的な印象もほんの少し強くなりました。それにしてもゴチゾウカワイイ……。


「仮面ライダーガヴ」、期待してるぜ!!

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