永命

チャブ

第1話 おじいちゃんの昔話

よーいドン! の掛け声で子供達が走り始め


た、ゴールは昔から幽霊が出ると言われる丘


の上の桜の木の下の石の前である。


昔は、誰も近づかなかったがいまは幽霊を


知っている人の方が圧倒的に少なくなり、


幽霊が出ると言われても怖がる人はほとんど


居なかった、その代わりに親から怒られるか


ら行きたくないという子が増えていた


この駆けっこの最後尾で「えー、本当に行く


の?やだよー」と言いながらついて行く子供


もそのうちの1人だった。


「よっしゃ!俺一位!」


「くそー、よっちゃん早すぎ!」


「としくんも、よっちゃんも早いよ!」


と言いながら次々ゴールしていった


「全くあいつ遅いなー、ビビリだし走るのも


遅い」


そう言いながら丘の上から最後尾の子を見て


距離を確認した後、暇つぶしに桜の木の下の


石に近いた、石は木で出来たほとんど壊れて


いる祠の中で倒れていた。


「これ、どうして木の家?の中に石入れて


るんだ?」


「さあ?何のためだろうね?」


「誰かが作ったのかな?自然にはならないよ


ね」


「おい、なんか光ってるぞ石の下」


と言い、よっちゃんが石の下の土を除けると


中から白い石のような物が入った瓶を見つけ



「これなんだろう?石ではないよな、透明だ


し」


「中に白い石は入ってるけどね、何だろうこ


れ?」


そう言って瓶をみんなで見ていると、最後尾


の子がゴールして、疲れてその場に座ってし


まった子に、「ほら」と言って瓶をよっちゃ


んが投げてこう言った


「それ持ってると呪われるんだってー」


「え、、呪い、、はぁ、、はぁ、、なに、、


それ?」


「なんか、怖いものが夜に会いにくるってお


母さんが言ってた」


「え、どうしたら、、いいの、、?、、


はぁ、、はぁ、、」


「そんなの知らないよ、ヤバい一緒にいたら


怖いのが出てくるぞ! 逃げろ!!」


そう、よっちゃんが言うと皆んな悲鳴を上げ


て逃げて行った、1人になったその子はどうし


たらいいか分からず怖くなって、瓶を置いて


家に向かって急いで走った。


それから、怖くて何度も泣きながらなん


とか家の近くの集落についた、どれも木製で


江戸時代の家のように横に屋根が繋がってい


るかのように家が並んでいてそれが縦にいく


つか並んでいる。上から見ると長方形の形の


集落だった


「お母さーん、お母さーん」


そう泣きながらお母さんを探していると、家


の二つくらい隣の家の前で声が聞こえた、そ


こはその子の兄の家の物置でそこに、兄か


いるのかお母さんがいるのかと思いドアを開


けた。


 すると、そこには兄が息を切らしながら姉


を壁に押し付けて性行為をしていた


それを見てバレないようにそっとドアを閉め


家に急いだ


「はぁ、またあの2人ヤッてるよ、、


そんなにいいのかな?いつかお前にも分か


るって言ってたけどそんなに、お姉ちゃんい


つも苦しそうに叫んでるし、、やめてあげた


らいいのに、、」


そう言いながら家に着くと、両親とおじい


ちゃんの声の話し声が聞こえた。急いでドア


を開けて中に入りおじいちゃんの寝室に行っ



そこには、ベットの上でおじいちゃんが座っ


ていて、その横にお母さんがいてその隣にお


父さんがいた


「どうしたの?みんなと遊んでたんじゃない


の?」


「お母さん、呪いってなに?僕、呪われたみ


たいなのどうしたらいい!?」


「呪い?えっと、、何だっけ?確か怖いもの


よね?お兄ちゃんは知ってる?」


そう、お母さんがお父さんに聞いた


「どうだったかな?怖い物ってのは知ってる


けど詳しくは知らないんだ、、お父さんは


知ってる?」


そうお父さんがおじいちゃんに聞いた


「呪いか懐かしいな、、もしかして丘の上に


行ったのかい?」


「うん、透明な石みたいな物の中に白い石が


入ってる物を投げられて呪われたって言われ


たの、どうしたら治るの?」


「大丈夫そんな心配いそうな顔をしないでい


いよ、アレは嘘だから」


「え、そうなの?」


と3人はそれぞれ言った、それぞれ呪いに対し


て知っている事は違っていたが怖いイメージ


だけは持っていたのでとても驚いていたのだ


「なんで、そんな嘘ついてたの?お父さんが


ついたの?」


と、お母さんが聞くとおじいちゃんは、首を


振りながらこう答えた


「アレは、おじさんが丘の上に人が行かない


ように作った嘘だよ、あそこにはお墓があっ


たからね、荒らされたくなかったんだって」


「おじさん?お父さんじゃなくて?」


そう、お父さんが聞いた


「そう、おじさんとは、誰も血が繋がってな


いんだ、色々なことを知っていて僕のお父さ


んやお母さんと同じように元気で長生きだっ


たよ、みんな怖がって近づかなかったけどい


い人だったよ」


「ひいおばあちゃんみたいに、長生きの人が


他にもいたんだ」


そう、お母さんは呟いていたのを聞いておじ


いちゃんが話し始めた


「2人のおばあちゃんほどではなかったけど


ね、僕とは違って元気だったよ僕はまだ51歳


なのに最近ずっとベッドから出れないから本


当に凄いよ」


「丘の上にお墓があったのよね?ちゃんと直


しておかないといけないんじゃないの?何


処?一緒に直しに行きましょ」


そう、お母さんが子供に聞くとおじいちゃ


んがとめた


「いや、いいんだ、叔父さんが言っていた


お墓は死んだ人を思い出しやすくするための


場所であってそこに誰が入っているか知らな


いのに大事にする必要は無いってだから俺が


死んだらもう守る必要はないって」


「でも」とお母さんが言っていたがおじい


ちゃんが説得をした


「ねえ、おじいちゃんあの透明な石とその中


に入ってた石は何?」


「ああ、あれかい?あれは、ガラス瓶って言


うらしいよ、中に入っていたのは多分骨だね


お墓の持ち主の骨だよ」


「ガラス瓶?骨は土に埋めるんじゃないの?


ガラス瓶って何のためにあるの?」


「さあ、おじいちゃんもそこまで知らないん


だ、叔父さんが生きてた時代のものだから


ね、僕の子供の時は叔父さんとビルって建物


の所に使えそうな物を探しに行きながらいろ


いろ教えてもらったんだけど、、」


「そうなんだ、、」


子供が少しがっかりしているのを見ておじい


ちゃんは子供を近くに呼んだ


「ほら、これが写真って言う物だよ凄いだ


ろ?」


子供は、公園の写真を見て凄いと言った


「電気が使えれば、他にも違う写真も見れる


から見せてあげたかったんだけど、、


そうだ! おじいちゃん、ガラス瓶の事はよ


く知らないけど、叔父さんから聞いた昔話な


ら知っているよ教えてあげようか?」


そう聞くと、そこにいた3人ともとても聞いて


みたいと興味津々で頼んできたのでおじい


ちゃんは話し始めた


「あれは、100年以上前のこと、、」


西暦2173年7月誰もが生きたり生かしたりし


ようともがいたある昔話がはじまった


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