エイプリルフール!

花園眠莉

エイプリルフール

 4月1日。絶賛春休み期間だからこそバイト三昧。例外ではなく今日も変わらずこれからバイトがある。バイトに向かう準備をして外へ出る。正午前だけれど既に日差しが暖かくて春を感じる。日差しが眩しい中バイトに行くのは面倒だと感じるけれどバイトに行けば友達もいるから頑張って向かう。


 「おはようございます。」

「あっ!まゆちゃんおはよう。」更衣室に入るとゆりちゃんがスマホを見ていた。

「ゆりちゃん早いね。」自分のロッカーに移動しながら話す。

「うん、まぁね。」何か話したい内容があるわけでもないから沈黙が流れる。私は制服に着替えていつでも出勤の準備が出来る状態にする。

「ねぇねぇまゆちゃん。」

「何?」ゆりちゃんはスマホから目線をこっちに向けてきた。そして急に上目遣いをしてきた。何を企んでるの?

「私まゆちゃんの後輩としてこれからも頑張っていきます。」なんだか少し拍子抜け。

「え?同級生だよね?留年した?」同じ学校の同じ学年なのに何を言ってるんだろう。あ、今日がエイプリルフールだからか。

「ゆりちゃんエイプリルフールやりたかったの?」私がそう言うと首を傾げた。

「ん?あぁ!エイプリルフールじゃないし留年してないよ!そっかエイプリルフールなら嘘言っていいんだもんね〜。いやただ普通に後輩ムーブかましてみたくて。」意味がわからないから考えるのをやめた。

「なんだびっくりした。」ゆりちゃんの発想にエイプリルフールがなかったとは。

「じゃあもう一つ言いたいことあるんだけど言っていい?」じゃあこれは嘘を吐こう思っているのかな。

「いいよ〜。」

「今日のシフトまゆちゃん入ってないよ?」

「…え?」

「本当はさっきから思ってたんだけど。」…え?

「それはエイプリル…」

「正午過ぎてるし本当だよ。シフト表見てみな?」えぇ、そんな事ある?………。あったわ。シフト入ってない。

「まゆちゃん、気をつけて帰ってね?」

「うん…。」ゑ…?

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