第5話

小説において筆者の想像力が読者の想像力を超えた場合には読者の想像を超える感動や驚きを与えることができるのだが、読者の想像力が筆者の想像力を上回った場合には読者にとっては読む価値が無く面白みのない、ただ筆者にとって面白いものを炸裂させただけになってしまうように、小説に限らず芸術作品全般に対する評価は作品の送り手個人と受け手個人の想像力バトルの結果に応じて決められていくもの、つまり芸術鑑賞とは送り手の頭の中を覗きみ対話する行為なのであり、それ故に芸術に対する絶対的評価というものは存在していない。

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