高校時代の自分は2刀流なんてもんじゃなかった
神稲 沙都琉
第1話
高校生の頃、占い師をやっておりました。
タロットです。
少し勉強して、自分なりにアレンジして。それらしくみえるように演技もして。
ハズしたとしても『占いじゃん。100パー当たるってヤバくない?』
とごまかせばいいわけで。
100パーはずせばそりゃあマズイし、仕事になんない。なのである程度当たるよう微調整かけつつやっておりました。
が。何故か、割とよく当たるらしい。
『彼氏が最近冷たい。浮気してる?』
なんて。
それに対して
『ハイハイ。このカードに想いを込めてまぜてね』からの『3つに分けますよ。どっちの山、とります?』ときて『では、ココから1枚ひいて』
ハイ、出ました。答えはですねぇ。
『浮気はしてないけどね。今のところ。ただ、ちょっとマンネリかな。来週辺りに一緒に買い物とかどう?』
なんて。
ホントのところははっきり言ってわからない。けれども周りをしっかり観察してたらある程度は分かるでしょ。
お互いになんとなく、一緒にいるけどホントにコイツとでいいのかな?的な空気がある。そのままいたら自然と離れてしまいそう…なんて気持ち。
そういうときに軽く、背中をおしてあげる。
『ありがとう。うまくいったよ』
なんて、ありがたい報告をいただいたり。恥ずかしいです。
最初はてきとーにやっていた占いですが気付けば真面目にやってましたね。
あと、映画にもよく行ってました。
もう、やってる映画は片端から見てました。
みた映画のパンフは絶対に買う。
(まだ、たくさんの古いパンフが家の何処かに寝てます)
開館と同時に入り閉館までずっと観てる。昼ご飯も我慢して観る!
シュワルツネッガーのターミネーターはどれだけ観たかわからないくらい。
校内でも映画をよく観てるヤツ、って知れてたみたいで『デートなんだがおすすめは?』なんて相談も。
逆に先生たちに
『今なら家族で観るのにおすすめの映画ありますが。聞きます?』
『来週、デートにおすすめの映画始まりますよ。聞きたいですか?』
と、持ちかけてみたりも。
40年くらい前の話しです。
今なら、AIやコンピュータなどで簡単にできるようになった特撮。
レンズマンやターミネーターでの特撮に(すげぇ)と目をキラキラさせていた自分。絶対にアメリカに行って勉強する!と家出の準備までした痛々しい自分。いつか、映画に何か関われないかと想い続けてますが。
それは夢のまま、でも…。
高校時代の自分は2刀流なんてもんじゃなかった 神稲 沙都琉 @satoru-y
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