【No.025】~言葉を失った世界にて~

 かつて、この世界には、〝言葉〟というものが存在していた。

 人々は、その〝言葉〟を介して意思疎通を行い、時にすれ違い、争いを生んだ。


 それを見兼ねた神が言った。


 ――わたしは、そなた達がいうところの神である。わたしは、これから世界をつくり変える。


 それまで、この世界は神様が作ったと言われていたが、本当に神様の存在を信じているものなどいなかった。ただ、信仰だけが独り歩きしていたようなものだ。


 けれど、神様は実在したのだ。


 ある日、突然、人々の耳に聞こえてきたその声は、何処から聞こえるのかわからない。すぐ近くでしている感じもするし、果てしなく遠い感じもする。空から落ちてきている感じもするし、地面の奥底から響いている感じでもある。

 それでもその声は、確かに聞こえるのだ。


――言葉に力を。これより、口から発せられる意味ある言葉は、全て現実となる。


 その瞬間から世界は変わった。


 人々の口から発せられる意味ある言葉――例えそれが嘘偽りであっても、それらは全て現実のものとなった。


 他者に向けた悪意ある言葉は、他者を傷つけた。

 他者をおとしめる言葉は、己自身を戒めた。

 他者を重んじる言葉は、平穏を生んだ。

 己を責める言葉は、己を傷つけた。


 言葉が絶対の重みを有する世界になったのだ。


 世界は、混乱の渦におちいった。

 言葉の持つ力は、強大で、人々の手に余るようになる。


 やがて人々は、言葉を口にすることを恐れ、口を閉ざすようになっていった。


 そして、〝言葉〟を封印したのだ。


 以来、人々は、手話と筆記でのみ意思疎通を行うこととなる。


 それでも、中には、その〝言葉〟の力を悪用し、己の利益とする者も現れた。

 彼らは、〝言葉〟の力を<ロゴス>と呼び、それを用いる。

 言葉の魔術師ロゴス・マギと呼ばれる彼らと、それを取り締まる言葉の騎士ロゴス・ナイトと呼ばれる者たちの死闘の物語が、今、幕を開ける。



 ▽▼▽▼▽▼▽▼



……という世界観だけ投げて、終わります(笑)。

王道すぎて、オリジナルティがない!

……とシノミヤ師匠に突っ込まれそうですが……。

あとは、煮るなり焼くなり、シノミヤ様のお好きなように!

何かインスピレーションの参考にでもなれば幸いです^^

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る