第2話 異世界へ飛ぶ
「おは。二条、イケどうしたの?
狭い通学路で立ち止まらないの。2人ともデカいんだから。はい、はい歩いて。」
幼なじみの上崎だ。
名前からのあだ名じゃなくて彼女は小さい頃からハッキリした性格でハッキリした顔立ちだ。みんなに“女王様“と呼ばれている。
他の生徒には近寄りがたい存在だ。
確かに出来過ぎの上崎だが、体育会系で、少しガサツの女子だ。夏は暑いと僕のアイスを取りあげて食べられた小2の夏。
思い出したらくやしい。腹ペコ上崎め。
「クソー。」
イケが「おい二条、大丈夫か?」
「あー大丈夫だ。」
異世界からの騎士団長のパブロも「なんとも元気そうな女子だな。
彼女も一緒にスカウトするか。」
「ふざけるな。」ドーン、僕は反射的にパブロの腹にタックル。
突っ立ってる僕らに上崎が
「2人とも早く歩いて。ここで立ち止まらないの。」
僕は?イケも?パブロを指さし、見えてない?
僕は「上崎、こいつが見えてないのか?」
上崎は時々リアクションが大きい。が嘘つきではない。
「誰かいるの?何も見えないよ。からかわないの。遅刻するよ。ゴッン。」
僕だけに上崎のパンチが飛ぶ。
「本当に何も見えないのか?上崎。」
僕は「イケ、パブロが見えるのは、どうやら
僕ら2人だけのようだ。」
イケも僕と顔を見合わせて、えっ?
パブロが「僕の姿が見えるのは二条、イケ、君達2人だけだ。ベルガル王国の騎士候補のリストに名前が載っている。スカウト対象者のみ、異世界の僕の姿が見えるのさ。残念ながら、目の前の元気な女子には、見えない。」
僕は正直ほっとした。上崎にもしパブロの姿が見えてたら、大騒ぎするのは目に見えている。
それに冗談だとは思うが、パブロも元気のいい女子だとスカウトしようと言った。
やはり姿は見えてはいけない。
僕はパブロに「スカウトされてすぐに行きますって今はいえない。それにすぐに、ついても行いけない。放課後、帰りにまた会おう。返事はその時に。」
パブロは騎士らしく手をあげた。
僕は、イケと上崎の背中を押して校門をくぐった。
イケが「二条どうするんだ?」真顔で聞いて来る。
「異世界の騎士団?口に出すだけで嘘のような本当の話で正直どうしていいかわからない。
ただパブロがいい奴だってことは、分かる。
なあイケ、正直、僕は普通の高校生の毎日に退屈していた。
この中2病的、異世界の騎士候補のスカウト、受けてみようと思う。」
イケが「そうか、僕もスカウト受けようかな。」
「そっか。」
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