はい、こちら認定魔獣捕獲等事業者ウェンズデイ(株)でございます
海原 阿比介
用語集
はい、こちら認定魔獣捕獲等事業者ウェンズデイ(株)でございます
用語集
-歴史-
●大崩壊
作中時間で2000年前に先史文明を滅ぼした大災害。
詳細は銀の古老達によって秘匿されているが、
その後1000年にわたって世界規模の重度オルゴン汚染が引き起こされたことから、
何らかの魔導事故であったと推測される。
●銀の古老(エルフ)
悠久の時を生きる人類の上位種。
先史時代から存在し、大崩壊後1000年に渡って世界を導いてきた全人類の恩師である。
その不死の秘密は彼ら彼女らが持つ白銀の骨と血にあるとされているが、
それを実際に目にした事がある者は居ない。
全個体が神聖6文字と7秘数字によって構成される唯一無二の姓を持つ。
●継承暦
大崩壊後、1000年に渡るエルフ統治期を経て、人類に地上の統治権が委任されて以降の暦。
現在の9大勢力の版図も、継承暦元年にエルフから割り当てられた管区からほぼ変わっていない。
●ウェンズデイ株式会社
ニライカナイ帝国の帝都トウキョウに本社を置く魔獣駆除業者。
設立から4年しかたっていないベンチャー企業。
創立メンバーは3人で、シオンとルーナはまだ入社1年目である。
陰陽風水省から正式に認可を受けて営業している認定魔獣捕獲等事業者なので、
魔獣被害でお困りの際は、怪しいモグリの業者ではなく弊社にお申し付けください。
-地理-
●ニライカナイ帝国
世界を統べる9大勢力のひとつ、大東洋の覇者ニライカナイ帝国。
大東洋に浮かぶ大小さまざまな島国で構成された立憲君主制国家。
西方大陸にほど近いホウライ本島に首都を置いている。
●ホウライ本島
ニライカナイ帝国の西端に位置するホウライ列島のうち、最も大きい島。
地理的には、島のほぼ中央を走るプレート境界を基準として、東ホウライと西ホウライに分かれる。
●トウキョウ特別区
帝都トウキョウ。
ホウライ本島中央からやや東の平野部に存在する。
帝都周辺は本来海盆となるはずの地形であったため、大規模な地脈の結節点となっており、
それを生かした地脈道が縦横無尽に張り巡らされている。
●ミチノク州
東ホウライ北部のかなりの部分が含まれる行政区分。
一口にミチノクと言っても中央山脈を境に東西で大分気候が異なり、
特に西側は、西方大陸との間に存在するホウライ海の影響で豪雪地帯となっている。
●ヤコダ山
ミチノク州の中でも更に北端に広がる火山群の総称。
豪雪地帯だが意外に交通の便が良い。
近隣の北ミチノク駅には帝都トウキョウから直通の高速地脈道が整備されており、
秋の終わりから初夏まで雪が残るため、スキー場として人気を博している。
●グンマー
帝都トウキョウの北部に位置する森林地帯。
もともと森の深い地域であったが、先の第2次魔大戦の折に緑の呪いを投下され、
山間部の大部分が完全に密林に閉ざされてしまった。
なお、育ちに育った木材は魔道具など工業製品の素材として有効活用されている模様。
工業都市としての側面も持ち、東部に広がるわずかな平地に大手機械メーカーの製造拠点がある。
●グラスポート町
グンマー西部に位置する、国内有数の温泉地。
毎分4000リットルの湯が沸き出るグラスポートの湯畑で有名。
●レッドロック村
グラスポート町から約15キロ南東に位置する小さな村。
水害を避けて河岸段丘の段丘面に形成されているため、水利に恵まれず、
田畑の収入の不足分を補う副業として、養蚕業や鉱業が発達した。
現在それらの産業は下火となっているが、
グラスポート町からのアクセスの良さを生かした観光業が盛ん。
-人類-
●ストライダー族
平地の民。
身長は150~180cm程度
我々が、いわゆる人間と言われてイメージする人間に近い姿の人種。
長い手足と長旅に耐えうる頑健な足腰が特徴で、魔力保持量も高め。
魔導文明の発達と共に世界各地の平野部を席巻した。
●ゴブリン族
山の民。
身長は120~140cm程度。
ストライダー族に比べると大分小柄で、膂力には欠ける人種。
その分身軽で素早く、環境に合わせて肌の色を変える能力を持つ。
ホウライ本島は山がちなため伝統的に彼らの発言力が強く、
ニライカナイ帝国の現農林水産大臣もゴブリン族である。
●オーク族
森の民。
身長は210~250cm程度。
大柄で筋力と器用さを両立しているため、
運輸や畜産、工業など様々な業界で存在感が大きい。
一方で、大きすぎる体格は彼らに絶え間ない重力との戦いを強いてもおり、
長時間の行動はあまり得意ではない。
-魔獣-
●風翔猿『ウェンディゴ』
風の偏属性オルゴンに高い親和性を持つ猿型の魔獣。
2メートル強の巨体を持ちながらも、風を足場に高い機動力を発揮する。
その性質上、地脈が大気中に露出している風脈の多い地域に好んで住み付き、
ある程度風化の進んだ山などは絶好の住処。
移動能力に比例して縄張り意識も高く、
1つの山を1個体で独占しようとする傾向があるため、迷惑。
●双頭蛇『アンフィスバエナ』
尾の代わりに第二の頭部を持つ蛇型の魔獣。
移動能力に優れ、広大な森林をスルスルと泳ぐように狩りを行う。
二つの頭は、お互いの死角や睡眠の隙をカバーし合う事ができる他、
牙から毒液を飛ばす能力と、強力な再生能力で高い戦闘能力を発揮する。
反面、激しい代謝の代償に、非常に燃費が悪く、
蛇にあるまじき頻度で餌を取らなければ生きて行けないという弱点を持つ。
体が大きく、体長は最大3メートルに達することも。
●多頭蛇『ヒドラ』
山のごとき巨体と9つの頭部を持つ、極めて危険な蛇型の魔獣。
9つの口から放たれる猛攻は、さながら五月雨のごとし。
牙から毒液を飛ばす能力と、強力な再生能力で高い戦闘能力を発揮する。
反面、激しい代謝の代償に、非常に燃費が悪く、
蛇にあるまじき頻度で餌を取らなければ生きて行けないという弱点を持つ。
体が大きく、体長は最大30メートルに達することも。
頭の数が少なくなる奇形がよく見られ、
頭部が少なければ少ないほど再生速度は速くなる。
-魔導技術-
●オルゴン
魔力の素粒子。
人間の感情と相互作用する事が知られており、
個人使用の魔術から、大規模な魔導機械類まで、様々な用途に利用されている。
一方で、その性質から人間のそばでは意図しない変性や固定化が発生する事も少なくなく、
産業界ではこれ防ぐために各工程から人間を排除するオートメーション化が急務となっている。
●魔術
オルゴン工学の成立以前から用いられてきた、伝統的なオルゴン利用技術の総称。
雑草と言う名の草が存在しないように、魔術と言う名の術も存在しない。
あくまでも個人の才能に立脚した不安定な技術にすぎないため、
産業用途では使用を避けられる傾向にある。
●死霊術
生命が終わりを迎える時、その未練は少なからず周囲のオルゴンに影響を及ぼし、
エネルギー順位の固定化を促す。
これを無尽蔵のエネルギー資源と見なして活用する為に開発されたのが死霊術である。
一方で、死してなお縛られる死者の思いを開放するという思想的側面も持っており、
死者の怨念を搾取する術と救済する術が混在する、矛盾を抱えた術体系でもある。
●変化術
オルゴン波形を操って、外部からの観測結果に影響を及ぼす術。
観測者のクオリアに直接ダミーデータを送り付けているため、
対抗手段を取らずに偶然見破れると言う事はまずない。
達人ともなると、自分自身のアイデンティティに変更を加えて、
多系統の術では不可能な強度の肉体強化を引き起こすこともできる。
●スキャン
遠見の術。
オルゴン疎密波を用いて物理的・霊的に地形の輪郭を把握する術。
探査を目的とする術は様々な術体系に存在するが、その多くがこれをベースとして、
プラスアルファで目的ごとに必要な情報を上から重ねる形で成立している。
強いて単独で分類するなら風水術の一種。
●魔導格闘術(ミスティカルアーツ)
魔術を組み込んだ格闘術。
投術杖(ブラスター)の所持は法規制されており、
比較的免許を取得しやすい第二種ブラスターはアウトドア用品と大差ない出力しか出せないため、
魔獣駆除業者などで魔術を荒事に用いる者は、これを習得することが多い。
●花園流唱闘術
シオンが修めた魔導格闘術。
位置取りにステップやローリングを多用し、攻撃は全面的に魔術で行う流派。
威力の制御に特化しており、相手に想定を超える効果を及ぼしてしまわないよう、
腕力の使用を極力避けるのが特徴。
●獣詩拳
ルーナが修めた魔導格闘術。
ボクシングの延長上の技術であり、インパクトの瞬間に術を重ねる事で、威力を向上している。
その性質上、用いる術は最大でも7音程度で詠唱し切る必要があるため、
表意文字の豊富な漢字文化圏で好まれる。
-ガジェット-
●霊気機関車
オルゴン流で駆動する機関車。
エルフ統治期に用いられていた電気機関車や磁気機関車と比較して、
パンタグラフを設置したり宙に浮かんだりする必要がないのが利点。
●高速地脈道(レイラインウェイ)
霊気機関車による輸送網。
地脈中から散逸した低密度オルゴンを回収して利用しているため、コストが抑えられる。
●投術杖(ブラスター)
魔法の杖。
親霊性素材の芯材を、絶霊性素材のケースに収め、宝玉トランジスタに芯材を固定して作られる。
所持や販売は法律で規制されており、両手サイズの大出力タイプは第一種、片手サイズの低出力タイプは第二種に分類されている。
第一種免許は取得要件が厳しく、ウェンズデイ社でも免許保有者は一名しかいない。
法規制のない作業用ワンドとの違いは細かい数字が定められているが、
基本的には宝玉トランジスタの性能次第である。
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