これは予想外

 結局、長年の付き合いという事で宴に参加する事に決めた曹騰。


 承諾はしたものの、辛そうな顔をしていた。


 そんな顔を見た曹昂は馬車の改良を構想した。


 地面に大まかに馬車の設計図を書いて、何処をどんな風に改良するか決めていた。


(これで良し。宴は今日から二週間後に催されるから、改良する為の部品の制作も考えるとなるべく早く作って、ちゃちゃっと付けた方が良いな)


 どんな風に改良するか決めた曹昂。


 後は鍛冶職人の下に行って部品を製作してもらうというところで、ふと思った。


 馬車の改良をすれば、どうしても自分が改良した事はバレるだろうという事を。


 その時、どうやって誤魔化すべきか。


 馬車について改良する事しか考えていなかった曹昂は頭を抱えた。


(この時代では馬車は揺れる物という考えが基本だからな。本を見て、それで作ったと言っても、どんな本を読んだのか聞かれたら答えようがない)


 まさか、自分が未来から転生してきたと言われても信じてもらえないだろう。


 だからと言って、本を読んで知ったと言われても、曹昂の生活圏はこの屋敷の中だ。


 つまり、この屋敷の中にある本を読んで知ったという事になる。


 それでは嘘だと直ぐにバレる。


(どうしよう。・・・・・・ああ、そうだ)


 異国からの本を読んで知ったと言えば良いんだと悟る曹昂。


 流石にこの国で異国の言葉を読み書きできる人は少ないだろうと予想した。 


(この時代で有名な外国と言えば。何処だ?)


 曹昂はこの時代で有名な外国は何処だろうと考えていると。


「昂。何をしているんだ?」


 背後から声を掛けられた。


 曹昂は慌てて、地面に書いている設計図を足で消しながら、立ち上がり振り向いた。


 振り向いた先に居たのは祖父の曹嵩であった。


「祖父様。べ、別になんでもありませんっ」


「そうか。今日は勉強はしなくてもよいのか?」


「今日の勉強は終わっていますので大丈夫です。ああ、そうだ。祖父様」


「何だ?」


「有名な外国って、ありますか?」


 曹昂は祖父の曹嵩の役職が大鴻臚であったので訊ねる事にした。


 大鴻臚は皇子・諸侯・諸侯の嗣子に印綬を授けるだけではなく、周辺諸民族で冊封された者も管轄しているので、外国の事も少しは詳しいだろうと思ったからだ。


「外国の事を知りたいのか?」


「はい。我が国の他に国がどれだけあるのか知りたくて」


「そうか。お前も、色々な事を知りたい歳になったか。そうじゃな。我が国が交流がある外国と言えば鮮卑、南匈奴、莎車国、羌国、安息国、後は大秦といった所じゃな」


「安息国と大秦‼」


 曹嵩が教えてくれた国の殆どは蛮族として知られている国だ。そんな国に馬車の改良技術があると言われても信じてもらえないだろう。


 安息国はまたの名をパルティアと言い古代のイランあたりにあった国だ。


 この国はギリシア語、バビロニア語、ソグド語、パルティア語を使っているが、大秦とも貿易で交流がある国だ。


 最後に上がった大秦の名前を聞いて笑みを浮かべる曹昂。


 大秦。またの名をローマ帝国。


 桓帝の時代に大秦国王の安敦が使者を遣わして国交を持つ事が出来たと言われている。


 この安敦というのはローマ皇帝マルクス・アウレリウス・アントニヌスだと言われている。


 とはいえ、その前の時代、和帝の時代の時に大秦の名前は出ている。


 その時に遣わされた使者は大秦に行く事は出来なかったと言われている。


 ちなみに、この時に遣わされた使者の名前は甘英という。


 この甘英だが、事実かどうか分からないが、孫呉の有名な武将である甘寧の先祖だと言われている。


 この時期のローマ帝国とは安息国と交流があるとはいえ、それほど深く交流していない。


 だから、ローマ帝国の字で書かれた本があっても誰も解読しようという者はまず居ないだろう。


 そう思い曹昂は喜んだ。


「どうかしたのか?」


「いいえ、ありがとうございました。祖父様」


 一礼する曹昂。


 どうやって誤魔化すか決めた様で行動を開始した。


「全く落ち着きが無い子だ。まるで、小さい頃の阿瞞にそっくりではないか・・・・・・いかん、嫁が呼んでいる事を言うのを忘れていたっ」


 何処かに行く曹昂の背を見ながら息子の小さい頃と同じだと思い返していると、嫁の丁薔が曹昂を呼んでいる事を思い出し、慌てて曹昂の後を追い掛けた曹嵩。


 余談だが結局、曹嵩は曹昂を捕まえる事が出来ず、用事を終えた曹昂が屋敷に戻ると丁薔が待ち構えており、曹昂を捕まえるなり懇々と説教をした。



 数日後。



 屋敷には何かの鍛冶職人達が馬車を曳いてやって来た。


 鍛冶職人達が屋敷の前で待っていると、使用人が来た。


「何か御用でしょうか?」


 同じ県に暮らしている者という事で丁寧な口調で話しているが、目には何の用で来たのか分からず訝しんだ目で見ていた。


 そんな使用人の目など気にせず、鍛冶職人達の中で一番年長の男、恐らく親方と思われる人物が口を開いた。


「此処の御曹司に注文された物が出来たので、持って来たのだが」


 鍛冶職人の親方から出た言葉を聞いて、使用人は首を傾げた。


 この屋敷で御曹司と言えるのは、曹操、曹昂、曹鑠の三人しかいない。


 だが、曹操は洛陽で議郎として働いている。


 曹鑠はまだ五つという事と病弱なので滅多に部屋から出ない。


 曹昂は元気ではあるがまだ六つでしかない。


 とても、鍛冶職人に何かを注文する歳ではない。


 何かの間違いだろうと思い、使用人は口を開こうとしたが。


「ああ、来たんだ。待っていたよ」


 曹昂が屋敷の門の所までやって来た。


「若様。これは、一体?」


「親方に頼んで作って貰ったんだ。さぁ、中に入って」


「へい。じゃあ、失礼します」


 親方が一礼して仲間を連れて屋敷の中へと入って行く。


「ええっと、曾祖父様と祖父様を呼んで来て」


「は、はぁ、畏まりました」


 曹昂に言われて、使用人は一礼して言われた通りに曹騰達を呼びに行った。




 少しすると、屋敷の中庭には鍛冶職人達が曳いてきた馬車が置かれた。


 曹昂はその馬車を外から見ながら、何処かに変な所がないか確認していた。


「何処か問題は無いですか?」


「いえ、あっしも試しに弟子達と共に試乗しましたが、驚きましたよ。外国の技術というのも馬鹿に出来ませんね」


 親方は感心しながら曹昂に応えていた。


 身分で言えば曹昂の方が高いので、別に敬語で話す必要は無いのだが、前世で年上には敬語で話すという教育を受けていた影響でどうにも敬語で話す様になっていた。


 本人は気にしていないが、周りの使用人達にもその様に話すので、逆に恐縮されていた。


「おうおう、これはまた見事な馬車じゃのう」


「昂や。これは何事だ?」


 其処に曹騰と曹嵩がやって来た。


 その後ろには丁薔が続いた。


「昂。何かしたの?」


 丁薔は話を聞く前に、曹昂が何かしでかしたと決めつけていた。


「違います。陳留に向かう曾祖父様を思って大秦の技術を使った馬車を作って貰ったのですっ」


「大秦の技術?」


「ほぅ」


 曹騰と曹嵩は興味深そうに馬車を見た。


 見た限りこの国の同じ馬車と同じように見えたのだが、違いがあった。


 まず、一つは車輪が四つある事だ。


 この時代の馬車の車輪は二つが普通であったので、それが一番目立っていた。


 そして、幾分か高くなっている事に気付く二人。


「少し高いようじゃな」


「ですね。それに、車輪が四つもあるとは、私は初めて見ました」


「曾孫がわざわざ、外国の技術を使って作ってくれた馬車じゃ。乗ってみようではないか」


 曹騰が馬車に乗ろうと言うと、曹嵩も一緒に乗る事になった。


 踏み台を足に掛けて乗り込んだ二人。


「では、少し外を回ってみるぞ」


 と曹嵩が行って馬車が動き出した。


 屋敷を出て行って、少しすると。馬車が戻って来た。


 曹騰達が馬車から降りると、二人は目を丸くしながら曹昂を見る。


「昂や。これは凄いのう」


「ええ、本当に殆ど揺れを感じない上に方向転換も容易にできる馬車など初めて乗りましたね。義父上」


 目を丸くする二人を見て喜ぶ曹昂。


「大秦の技術と言ったが、お主。その技術をどうやって知ったのじゃ?」


 尤もな事を聞いて来る曹騰。


「父上が字の練習として送ってくれた本の中に大秦に関する本が入っていて、字の読み方と技術に関しての本が入っていました」


 どうやって知ったのかは父である曹操が字の練習で送られてきた本の中に大秦に関する本があったという事にする曹昂。


 送られてくる本に関しては丁薔は何の問題も無いだろうと思い、中身を確認しないで曹昂に渡しているのでどんな本があるか知らないので大丈夫であった。


「あやつ。子供の字の練習に何という物を送って来るんじゃ」


「まぁまぁ、義父上。お蔭で昂が外国の字が読めて、そして、このような素晴らしい馬車を作ったのですから良いではないですか」


「ふむ。それもそうじゃな。ところで、どうやって揺れを軽減させているのじゃ?」


「これです?」


 曹昂は袖に手を入れて何かを出した。


 それは鉄で出来たバネであった。


「「これは?」」


「バネという物で、これを車体と車軸との間に置いたんです」


「ばね?」


「これがのう」


 曹昂は二人にバネを渡すと、二人はバネを弄った。


 伸びたり縮んだりするのが面白いのか、楽しそうに弄っていた。


「これは凄いな」


「ふむ。これが弾機バネか」


 初めて見る物に二人は興味津々であった。


 そして、鍛冶職人に馬車を作った褒美に銀百両を与えた。




 それから更に数日後。


「どうか。どうか、お頼み申す‼ この通りですっ」


 大の大人がまだ幼いと言える曹昂の足元に跪き懇願していた。


(・・・・・・これは想定していなかったな)


 予想外の出来事に曹昂は困り果てていた。


 大の大人がまだ少年と言っても良い年齢である曹昂の足元に跪いて懇願する。


 そんな滑稽な光景を見ても曹騰は呑気に茶を啜るだけで何も言わない。


 丁薔はどうしたら良いのか分からず、曹騰と跪いている男性を交互に見ながらオロオロしていた。


(・・・・・・どうしよう?)


 曹昂もこの状況をどうしたら良いのか分からず困惑していた。




 どうしてこの様になったのかと言うと、事の始まりは曹騰が招かれた宴に参加した事から始まっていた。


 洛陽に帰る曹嵩を伴なって、宴を催す家に向かう二人。


 その席で宴に参加した者の誰かが、州を越えてやって来た曹騰達に「道中は大変であったでしょう」と訊ねたそうだ。


 この時代には野盗などが出没していたが、襲われない様に大金を払って州の兵を借りたので問題は無かった。


 訊ねた人も其処を気になって訊ねたのではなく、道のりが険しくて大変であったのだろうと思い訊ねたのだ。


 この時代では道など整備されている所は少ない。荒れている所など沢山ある。


 齢七十を超える曹騰にはきつかっただろうと思ったのだろう。


 ところが、曹騰はその訊ねた人にこう言い返した。


『曾孫が解読して手に入れた外国の技術で作った馬車に乗って来たので、特に問題ではなかった』


 その話を聞いた人達は話の種になると思い、その事について詳しく訊ねだした。


 最初は曹騰の曾孫自慢だろうと思いながら。


 曹騰は隠す事無く曹昂が作った馬車について話し出した。


 その話を聞いた人達は酔いもあったのだろう。その馬車に乗りたいと言い出した。


 流石に無礼ではと、まだ酔っていない人達は内心思ったが、曹騰は快く承諾した。


 そして、馬車に乗る者達。


 少しそこら辺を進ませて戻ってくると、皆驚きながらも口を揃えてこう言った。


『あまりに揺れないので、まるで揺り篭に乗っている様な気分であった』


 その言葉を聞いて、まさかと思い興味が湧いたのか、まだ乗っていない者達も馬車に乗りたいと言い出した。


 曹騰が「構わないので、乗りたい者は乗りなさい」と言うと、宴に参加している者達は乗り出した。


 そして、乗った者達は皆驚愕した。


 本当にあまり揺れないのだ。


 普段、自分達が乗っている馬車は凄く揺れる。


 長い間乗っているので慣れているとはいえキツイといえばキツイのだろう。


 だから、あまりに揺れないこの馬車に驚いていた。


 そして、戻って来た人達は曹騰の曾孫が凄いと褒め称えた。


 それを訊いた曹騰達は顔を綻ばせながら酒を飲んだ。


 翌日。


 曹騰は曹嵩が洛陽に行く馬車に乗るのを見送ると、自分も屋敷に戻ろうとしたら宴を主催した衛大人が、自分も連れて行って欲しいと頼み込んだ。

 

 その者も曹騰が乗って来た馬車に乗って、これは素晴らしいと言って、この馬車を製作した者に会いたいと言い出したそうだ。


 曹騰も長年の親交もあるので、無下にも出来ず連れて来たのだ。


 そして、その者が曹昂に会うなり、あの馬車の技術を教えてほしいと頼み込んだ。


「お金に関しては言い値を払います。ですので、どうか、どうか」


 頼み込む男性。


 曹昂は困っていた。


 それは技術を渡す事に困っているのではなく、どうやって分け前を貰おうかどうかについてだ。


(この人。此処まで来たと言う事だから、多分馬車で商売するだろうな。この時代でロイヤルティとか言っても分からないだろうしな。しかし、技術を教えて金を貰って終わりにしたら旨味が無さ過ぎる)


 技術を広める事に、何ら思うところは無い曹昂。


 しかし、むやみやたらに教えて、自分の権利を阻害されるかも知れないと思い悩んでいた。


 この先、大乱が起こるのは歴史で知っている曹昂。


 なので出来るだけ金が欲しい。


 しかし、権利を阻害される可能性もあるので、返事に困っている曹昂。


「昂。ちょっと来なさい」


 曹騰が手招きして来たので、曹昂は曹騰の傍に行く。


 まだ手招きするので曹昂は曹騰の耳元まで顔を近づける。


「お主。何を迷っているんじゃ?」


 小声で話しかける曹騰。そして、話を続ける。


「技術を教えて金を巻きあげるのであれば、さっさとすれば良いのにしない。かと言って値段を釣り上げる様子も無い。まぁ、言い値で払うと言っておるから上げようもないが。教えたくないのであれば、さっさと断れば良いのに言わない。何を悩んでおる?」


 曹昂は驚いた。


 どう答えたらいいか考えている姿を見て、何かを悩んでいると看破した曹騰の洞察力に。


 伊達に、朝廷に長い間仕えていた訳では無いんだなと実感する曹昂。


「・・・・・・実は」


 其処で曹昂は思い切って曹騰に自分が悩んでいる事を話す事にした。


 長年生きているので、どうやって言えば伝わるか分かると思ったからだ。


「ふむふむ。成程のう。分かった。儂に任せておけ」


 曹昂の頭を撫でると、衛大人の方を見る。


「衛大人。まずはお座りを」


 曹騰が用意されている椅子に座る様に促すと衛大人は顔を上げる。


 そして、椅子に座った。気分を落ち着かせる為、卓に乗っている茶を喉に流し込んだ。


「今、曾孫と話したのじゃが。条件付きでお主にその技術を教えても良い事にした」


「おおお、感謝します」


 衛大人は感謝を示す為か椅子を立ち上がり、その場で頭を下げた。


「これこれ。大の大人がそう頭を下げるものではないぞ」


 頭を上げる様に言う曹騰。


「は、はい。分かりました」


 頭を上げる衛大人。


「それで条件というのじゃが、三つある。もし、これらの一つにでも無理だと思うのであれば、この話は無しじゃ。そう心得よ」


「はい。で、その条件とは?」


「まず一つ。その技術で作った馬車で商売をする場合、一台売れたらその売り上げの一部をこの屋敷に届ける事じゃ」


「はぁ、一部と言うとどれくらいですか?」


「そうじゃな。どれくらいが良いかの。昂」


「四割で良いと思います。曾祖父様」


「だそうじゃ」


「四割ですか。・・・・・・分かりました」


 衛大人は少し考えて承諾した。


 一台売って、その売り上げの四割を渡すと聞いてそれ程困る事ではないと思ったからだろう。


「次にその馬車の技術を誰かに教える場合、その者から得た金の三割を渡す様に」


「誰かに教える場合も金を取るのですか?」


「その通りじゃ。本来は儂らが馬車を作って売っても良いのに、その権利をお主に渡すのじゃからそれぐらいの取り分があっても良いじゃろう。ああ、もし金を貰わないのであれば、その時は金を払わなくてもよいぞ」


「・・・・・・分かりました」


 少し悩んだが承諾する衛大人。


「そして、最後にそれらの売上金は毎月初めにそちらがちゃんとこちらに届ける様にする事じゃ」


「? すいません。意味が分からないのですが」


「ようは、そちらがちゃんと送り届けるという事じゃよ。何があってもな」


「・・・・・・あっ」


 少し考えて曹騰の言葉を理解した衛大人。


 それは売上金が野盗に襲われたり届ける者が、その売上金に目がくらんで盗んで姿をくらませたりしたら、どうなる事か分かったからだろう。


「あの、もしもなのですが。その売上金が何らかの理由で払えなくなった場合はどうなるのでしょうか?」


「その場合は、お主が補填するに決まっているじゃろう」


 予想通りの言葉に頭を抱える衛大人。


「・・・・・・分かりました。それらの条件で技術を教わります」


「うむ。ああ、それと紙に今の事を書いて、署名するが良いな?」


「誓約書ですか?」


「その通りじゃ。何か問題あるか?」


「いえ、ありません。もう他に何か無いですか?」


 もう此処まで来たら、無理でなければ引き受ける事にした衛大人。


「これで、全部じゃ。問題無いじゃろう。昂や」


「はい。曾祖父様」


 思っていたよりもかなり好条件で技術を教える事が出来て満足している曹昂。


 曾祖父の交渉力に感謝した。


(伊達に長年宦官として生き残っていた訳では無いか)


 曹昂は改めて、曾祖父が凄いなと思った。


 そして、衛大人と曹昂と曹騰の名前を連名で誓約書を書いた。


 書き終わると、曹昂は弾機を作っている鍛冶職人の元に衛大人を連れて行く。


 その弾機を作る工程を見た衛大人は驚喜した。


 技術指導に鍛冶職人を数人借りて、弾機を幾つか持って陳留へと帰っていった。

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