第3章60話:野宿と会話
しばらく兵士たちと歩き続ける。
やがて日が沈んでくる。
夜。
すっかり暗くなったので、野営をすることにした。
手分けして
さすがに兵士のみなさんはお疲れのようだ。
動きがどことなく気だるそう。
まあコボルトとの激戦を経て、そのあとも歩き通しだったからな。
全員で、食事をする。
焚き火で肉と野菜を焼いて、食べる。
食べ終わったら、テントの設営をした。
ここからは休む者と、見張りをする者で分かれる。
眠りたい人たちは先にテントに入ってもらっている。
寝番は交代制なので、あとで彼らには起きてもらうことになるだろう。
なお現在、見張りとして火を囲んでいるのは……
俺、
ヴェルニカさん、
ファリスさん
……の3人だ。
見張り中は暇なので、自然、雑談に花を咲かせることになる。
「我々は国に雇われている兵士ではない。いわばリズベック子爵の
とヴェルニカが告げた。
「へえ……てっきり王国の兵士かと思ってました」
と俺がそう述べると、ファリスが説明した。
「国の
ファリスがいわく、一般に『王国軍』と呼ぶときには常備軍を指すことがほとんどだという。
まあ俺の母国も同じである。
ヴェルニカが言った。
「ちなみに私は10年前までは
「王都でのエリート
とファリスが告げる。
「ただの
あいつ、とは子爵様のことだろう。
よほど
「それで、今回は子爵からコボルトの依頼を受けて討伐にやってきたのだ。まあ、結果はあのざまだったわけだが」
「あはは……あの量は仕方ないですよ」
と俺がフォローを入れる。
ヴェルニカは首を横に振った。
「私のミスだ。弱い魔物と思って、油断してしまった」
ファリスが同意する。
「あたしもいけるって思いましたからねー……」
そのとき、ファリスがぽつりとつぶやく。
「訓練が必要ですね」
「そうだな。包囲されたのは私のミスだが、そのあと押し負けそうになったのは隊の
とヴェルニカは俺を見つめてきた。
俺は否定した。
「一人といっても、俺は途中から参戦した形ですし……全体でいえば、俺が倒したのは13体ぐらいですよ」
「しかし、やろうと思えば
「まあ、それは……」
可能か不可能かでいえば、可能である。
コボルトが20体程度なら、大した脅威ではないのは事実だ。
「我々は未熟だ。もっと精進せねばなるまい」
そうヴェルニカが結論づける。
ファリスもうなずいていた。
2人とも真面目だな……。
こういう兵士さんたちがいてくれるなら、この領地も
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