第2章46話:魔族領

草原を去る。


同じ要領ようりょうで、俺は、残りのランドウルフ・マザーも狩ることにした。


少し離れた場所にもう1体いたので、アサルトライフルで処理する。


さらに最後の1体。


マップにマーキングした場所に向かい、ランドウルフ・マザーを撃破した。


これでランドウルフ・マザーの討伐は完了だ。


おかげで俺のレベルはだいぶ上がった。


ステータスは以下のようになっている。




◆◆◆

名前:フロド

年齢:36歳

適性:錬金術師

レベル:49(第一位階)


HP:245

魔力:1087

攻撃力:60

防御力:72

敏捷性:170

魔法攻撃力:44

魔法防御力:53

◆◆◆




まずレベルが大幅にアップした。


強敵を数多かずおおく倒したからだ。


ジェーン。


ゼルリウス。


ランドウルフ・マザー3体。


……等々などなど


特に赤魔族であるゼルリウスの討伐は、莫大な経験値をもたらしてくれた。


このレベルアップによって、俺はありがたいスキルを手にした。


それは【生物除せいぶつよけ】というスキルである。


スキルの効果は以下である。




◆◆◆


【生物除け】

獣、魚、爬虫類、両生類、昆虫など……生物を退しりぞけるスキル。

使用すると、自分の半径15メートル以内に結界が張られる。

その結界の中に、生物が入ってくることができなくなる。

なお、すでに結界内にいる生物も、ただちに追い払うことができる。


◆◆◆




つまり。


高度な虫除けということだ。


ゲームの段階では、あまり意味のあるスキルではなかったが……


異世界においては絶大な効果を発揮する。


特に野宿のときに、生物が近寄ってくる心配がなくなるのは、めちゃくちゃありがたい。


たとえば『朝おきたら、蛇と一緒にテントで寝てました』……なんてことにならなくなる。


今日からさっそく使っていこうと思う。







日が暮れかかっていたので、この日は野宿することにした。


さっそく【生物除け】スキルを使って、テントで休む。






<魔族視点>


――――魔族領まぞくりょう


荒廃こうはいする大地。


枯れた木々。


ひび割れた大地と、緑のない丘陵きゅうりょう


夕暮ゆうぐれの空は、黄色に染まっており……


よどんだ銀色の雲が、どんよりと天をおおっている。


そんな荒然こうぜんとした空を、パタパタと飛ぶのは【魔族コウモリ】。


魔族コウモリが向かう先は、大きな石造いしづくりの砦である。


その砦の最上階さいじょうかいの窓から、魔族コウモリが中に入る。


そのまま魔族コウモリは、砦の魔族たちに取り次いでもらい、領主の部屋に入った。


「ダフローネ様、大変ですー!」


と魔族コウモリが言いながら、空中で滞空たいくうする。


領主の部屋、中央奥ちゅうおうおく


玉座に座る一体の女魔族おんなまぞくがいる。


彼女が魔族領のおんな首領しゅりょう――――ダフローネである。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る