数日、伐っても伐っても再生する夢を見続けた




 うすら寒いような、うすら暑いような、奇妙な気温の中。厚い雲が立ち込める空の下で、藤伐りを開始する。藤の蔓を用いて藤布を作る家業で生まれ育った私の四月の恒例行事である。しっかしまあ今年は豊作って言うか膨作って言うか。巨大な糸玉が如き圧巻の藤の蔓の群生を前に腕まくりして挑みかかった。






(2024.4.23)


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