あとから入ってきた俺ら、古参のお前ら全員蹴散らしてやる!  ~利用してきたクラスメートと相棒になったので、二人で魔法業界無双します~

こよい はるか=^_^=猫部

第0話 プロローグ

「これで終わりか?」

「そうだね、チョロかった」


 ここは決勝の舞台。

 相手は超チョロくて、普通なら30分以上かかる戦闘が、30秒で終わってしまった。単位が違う。


「勝者は…かずるなペア! 今大会優勝は、レジェンドの白石和希さんと森野るなさ

 んのペア、かずるなペアです!! 24回目の優勝、おめでとうございます!!!」

「The winner is...the Kazuruna pair! The winner of this tournament is the legendary

 Kazuruna pair of Kazuki Shiraishi and Rina Morino! ! Congratulations on your 24th

 victory! ! !」

「获胜者是……かずるな组合!本次大赛的冠军是传奇的かずるな组合——白石和树与森野琉菜!恭喜他们获得第24次胜利!!!」


 俺と琉菜は、うわべだけのにっこにこの笑顔で応える。




 ここは、魔法があることが日常の世界。

 この地球には、魔法を持つ人間と、持たない人間の2つの人類が住みついている。

 魔法を持つ人類、通称『魔類マジカル』は、このように、1年に夏季大会と冬季大会の計2回、世界大会が開催される。

 そうではない魔法を持たない人間、通称『真類オリジナル』は、その大会の観客か、魔類マジカルのマネージャーだ。


「はぁ…これ、寝ていいのかな?」


 控室に戻り、さすがの俺たちも同じソファに座り、だらけている。

 全員がチョロすぎたにせよ、魔法を使うと自分の身体のエネルギーを使うことは確かだ。

 1人あたり大きな魔法3発くらいで倒せるから、どんどんそれを使っているため、膨大な量のエネルギーが魔法に持ってかれてしまう。

 エネルギーを取り戻すには、眠るしか方法がない。


「どうだろ、聞いてみないと」


 そうは言いながらも、座ってしまったのだから立つ気力がない。

 ガチャ…

 控室のドアが開き、マネージャーが帰ってきた。


 「咲楽さん、これ寝ていいっすか…?」

 「いいよいいよ、起きたら事務所にいるようにしてあげるっ☆」


 咲楽さんは、魔法業界のレジェンドマネージャー。

 俺たちの全盛期の頃から、ずっとついてくれているマネージャーだ。

 俺たちより5歳くらい年上だが、とてもそんな風には見えない。

 大人気で、モデルもやっているから、知名度は高く、動きも機敏。魔類マジカルだったら良かったのに、とつくづく思ってしまう。


 「ありがとうございます…」


 俺がそう言った頃には、もう隣で琉菜が寝ている。

 こいつ、寝落ちだけ早いのはいつまで経っても変わらないんだよな。

 今日も動いたな…。

 少しふっと微笑んでから、揃いの金メダルを首から下げたまま、眠りについた。


 ――これから始まるのは、俺たちが魔法業界のレジェンドに成り上がるまでの、少し短めの物語ストーリーだ。

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