物語から詩を綴る

木漏れ日の空想家

第1話 夜空の匂いは幸せ 

この詩は短編集「花びらとその他の不穏な物語」著:グアダルーペ・ネッテルの

眼瞼下垂を参考に綴りました。




幸せとはかけらしかない

人々はそれを信じたくないのか

知りたくないのか

それでも満月のような幸せを思い浮かべて

世界の果てまで追い求める

その瞬間がきっと一番美しくて

だから

幸せをつかめない辛さに悩む姿が美しい

満月は夜空に光るから美しい


そしてやっと幸せに追いついたと思って

ふとその幸せをみると

ずっと自分の思い描いていたものより

醜くて

あなたは戦慄する

あなたの瞳の中の

あの美しい光が消えてしまう

満月がもしあなたの腕の中に抱え込まれたら

ただの光の玉になってしまうから


だから幸せは追い求めるだけで

あなたには

一生掴まないで欲しい


私たちがまだ辿り着くことのない場所で

今日も満月が光る

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