第21話雛の旅後

それから数日後


「あぁ〜、雛はまだ帰ってこないのか!」


俺は寂しくなっていた。


今まで誰かと長い間一緒に居たので、1人になるのは実は初めてだったりするのだ。


「まあ、落ち着け、ジュリアナ、私が居るでは無いか!」


と言う、コベルニクスが居た。


「あぁ、コベルニクス居たのか・・・」


そして、俺はやっとコベルニクスの存在に気がついた。


「てか、ジュリアナ!急によそよそしいぞ!

ほら、前みたいに、グリムと呼んでくれ!」


と言ってきたので、仕方ないと、グリムと呼ぶと、笑っておう!と言ってきた。


しかし、俺はこう言った。


「でも、グリム!雛のいる前では、私は絶対にグリムの事、グリムとは呼ばないからな!」


と言うと、コベルニクスは悲しそうな顔をして、なんでぇ〜と言ってきたので、俺はこう答えた。


「だって、私がグリムをグリムと呼ぶと、『神様をそんな変な名前で呼んじゃいけません!』て怒るから」


と言うと、コベルニクスは笑い出して


「それは仕方ない!雛の前では許そう!」


そう言ってきたので、ありがとうと答えると、どういたしまして!と帰ってきた。


そして、雛が旅立ってから2ヶ月間もの間、俺は暇で暇で、魔法を使って遊んでいた。


「ココをこうして、こうして」


すると、コベルニクスが


「おい、ジュリアナ何をしてるんだ?」


と言ってきたので、俺はゴーレムを見せた。


「ほら、これどうだ?」


と言って見せると、そこには、呪樹の木を芯としたゴーレムが2千万体も居た。


「いや、こんなに沢山作ってどうする?」


と言ってきたので、俺はコベルニクスが昔俺に言っていた事を思い出した。


「ほら、昔、私に国を作らないのか?と言ってきたじゃないか!」


と言うと、コベルニクスは


「あっ!そうだったな!」


と忘れていたようだった。

そして、コベルニクスは続けざまに


「決心は着いたか?」


と聞いてきたので、俺はこう答えた。


「私はもう、私を信頼してくれる者を失いたくない。

もし、それが私自身であろうとも」


と言うと、なんか理解した様な顔をして、


「そうか、わかったよ!

なら、ジュリアナ、この称号を使っていいよ!」


と言って、紙を見せてきた。


そして、そこに映し出されたのは、神聖という文字だった。


「これは何だ?」


そう聞くと、コベルニクスはこう答えた。


「これはね!私の称号だよ!」


そう言って、その紙を俺に押し付けて来た。


「コレはどういう事だ?」


と言うと、コベルニクスはこう言った。


「コレで君は完全に神になったよ!

やったね!コレで私と君は同等の存在だ!」


と言ってきたのでなんか胡散臭かった。


「で、そうした理由は?」


と聞くと、コベルニクスは、こう答えた。


「私ももうジュリみたいに君を無くしたく無いんだ。」


と言ってきたので、あ〜俺と同じか!


と思って、待っていると、数十人の人達がこっちに向かってやって来ていた。


「えっ?あれは?」


と言うと、コベルニクスは急に姿を変えた。


「はぁ?てか、はぁ?」


と俺は2つの意味で驚いた。


1つ目は、わかってる通りに、大勢の軍勢の事


もう1つは


「グリム!姿変えられたのかよ!」


と言うその1点だった。


そしてグリムはこう言った。


「まあ、少しの間だけ、ココにたまたま迷い込んだ旅人という事にして!」


と言ってきたので、仕方ないと、俺は諦めて、了承した。


そして、やって来た軍勢の前を歩いているのは何と、雛だった。


「お父さん!ただいま!」


そして帰ってきた、雛だがそこには、知らない人達が沢山いた。


「雛、この人達はどうしたんだ?」


と聞くと、雛以外の人達はめちゃくちゃ驚いていた。


なので、俺は名乗ることにした。


「あっ、すまない、私の名前はジュリアナ、この地の管理者だ。」


と言うと、グリムも


「あっ、私はこのに迷い込んだ旅人のコベニと申します。」


と言っていたので、俺は少し吹いてしまった。


「えっ?でも・・・あなた、コベ・・むぐぐ」


とコベルニクスに口を抑えられた雛は少し、険悪な表情をしたので、コベルニクスは雛に小さな声で話しかけていた。


すると、雛は頷き、棒読みで


「コベニサン、イラッシャイ、ココハナニモナイ、トコロダッタデショ」


と言っていた。

いや、完全に棒読みだし、周りもめっちゃ雛が変な言い方してるから、めっちゃ困ってるけど・・・となりながら、皆を案内し、俺はゴーレム達を使い簡単な家を作ってあげた。


そして、その夜、宴会をやることになったが、その前に俺は雛にあのことを伝えることにした。


「雛、私はこの地に国を作ることに決めたよ。」


すると雛は、


「やっぱり、そうだったんだ。

お父さん!私、お父さんが王様の国に住んでみたい!」


と言ってきたので、そうか!そうか!


と俺は、言ったがこの時気付くべきだった。

俺が王様になるて事を


そして、俺は、宴会を始める時に、俺は盛大にこう言った。


「俺はこんだけの人に会えたのが嬉しい、もし良かったら、この皆で街を・・いや、国を作らないか?」


すると皆一斉に拍手をしだして、そうだ!そうだ!


と言ってきたので、俺は


「それで、初代国王を人から選ぶ事にした。」


と言って、何食わぬ顔でもうご飯を食べているコベルニクスを見て、俺は意地悪をするように、コベニを指名した。


「コベニ、お前を初代国王に任命する!」


そして、それを聞いたコベニは、箸を落として、


「ハハハ、何の冗談を・・・」


と言ってきたので、俺はしっかりともう一度言った。


「私、ジュリアナはこの者コベニを初代国王とする!」


と言うと、雛達、皆え〜!!と帰って来たので、俺は雛に木の剣を使って話をした。


『おーい!雛聞こえるか?』


と言うと、雛は


『お父さん!約束破った!!』


と言ってきたので、俺はそれを謝りつつこう言った。


『ごめん!ごめん!雛、でもコレには理由があって』


と言うと、


『ふん!なんか知らないけど、理由だけは聞いてあげる!』


と言ったので、俺はこう言った。


『どうせ、この後国の名前決めることになるだろ?

それなら、あの呑気にご飯食ってたあの馬鹿に名前決めさせようと思って!!』


と言うと、雛は


「ふふ!」


と笑って、面白そうに


『それは良いね!呑気にご飯食べてる罰だ!』


と言って、喜んでいたので、これから意地悪が開始するのだが、コレが結果的に俺を1番苦しめる事になるとは思っても居なかった。


「では、コベニ前へ!」


「はっ、はい!」


と少しびっくりしたような感じのノリでやって来てコベルニクスは小さな声でこう言った。


「おい!コレはどういう事だ!」


と、なので俺はこう答えた。


「お前、何勝手に最初から飯食べてる!ちゃんとノリ考えろ!

だからお前に、国の名前決めさせてやる!

その後、また国王決めるからそれでいいだろ!」


と言うと、コベルニクスは悪態をつきながら


「あぁ、分かったよ!」


と言ったあと、すぐに表情が変わった。


「では、コベニを暫定国王とする。

異論は有るか?」


と聞くと雛以外の皆一斉に手を挙げて、こう言った。


「なんで、旅人風情が国王になるのだ!」


とか、


「なんで、ジュリアナじゃないんだ!予定と違うぞ!」


とか、めっちゃ荒れていたので、俺は一言こう言った。


「なら、この国の名前を決める時どうするんだ?

お前らが決められるか?そんな大事なもの」


と言うと黙ったので、俺は続けてこう言った。


「なので、この国王は暫定だ。

何故なら、旅人なら多くの国を回っているはずだ!

なら、ほかの国とは違った新しい名前を思いつくだろ!」


と言うと、それもそうか!

となり、暫定国王と言う地位にコベルニクスは着いた。


すると、次の瞬間、コベルニクスはこう言った。


「では、ほかの国とは完全に絶対に被らない国の名前を付けさせてもらう。

その名も、神聖ジュリアナ聖王国だ!」


と大きな声でコベルニクスは堂々と答えた。


コレにココに集まった住人は!


おお!とか、それなら!とか、それがいい!とか滅茶苦茶絶賛したが、俺が1番嫌だった。


「おい!それって私の名前!」


「おい、俺を国王にしたのが運の尽きだったな!

これから、この国の名前は神聖ジュリアナ聖王国だ!」


「「「おぉ〜!」」」


と言って、結果的に押し切られる形で、神聖ジュリアナ聖王国になった。

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