第43話運動会

 岸和田のだんじり祭りが終わって、本格的な空秋が訪れて、学校も運動会に向けた練習や準備などで忙しくなる。クラス内でまずはリレーの選手を選考するためのタイムトライアルがあって、私は惜しくも補欠ということになり、リレーの選手にはなれなかった。私のクラスには足の速い児童がたくさんいたのである。正直、運動会で一番の花形競技であるクラス対抗リレーの選手として出られないのは残念であったが、もう一つ、徒競走で1位になるという目標に切り替えて運動会に臨んだ。親友の星田は

「お互い1位狙おうな」

と話していた。その星田はリレーの選手に選出されていたので、まずは午前中に行われる予選を全力で応援した。星田の奮闘もあり、予選を突破し、午後からの決勝に臨むことになった5年4組。予選の後5年生の徒競走が始まった。高学年ということで、運動場を1周するのであるが、まずは私が星田より先にスタート。前半は競った状態であったが、後半になって私が徐々にリードを広げていって、トップでゴールテープを切った。そして私より後にスタートした永井や今田、福田や柳井を応援していよいよ私の親友であり、ライバルでもある星田がスタート。星田もトップでゴールテープを切って、約束通り1位を獲得することが出来た。そのほか、この運動会では生命誕生をイメージした

「碧い惑星・地球誕生」

と言うダンスを披露したり、綱引きなどが行われて午前の部が終了し、昼からはクラス対抗のリレーの決勝が行われた。決勝では見事に5年4組が優勝した。運動会が終わって、私は星田と一緒に帰った。お互いの健闘を称えあい、徒競走で1位になれたことを素直に喜んだ二人である。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る