今夜、あなたの下着を盗みます。
古澤
あなたの下着を盗みます。
予告状。
9月4日、水曜日、午後8時。あなたの下着を盗みます。
ー ベランダの怪人 ー
アイツが街に現れたのは、星の見えない夜だった。
「先輩、予告状を出す下着泥棒なんて本当にいるんすか」
「分からん。まあ、いない方がいいよな」
パトカーの中で真冬はカップヌードルをすする。後輩の
予告状を受け取った被害者は
犯罪というものは被害者はもちろん、その他の関係者にも多大なる迷惑をかけ、善良な人間に恐怖心を植え付ける。下着泥棒など、絶対にしてはいけないのだ。
パトカーの中で辺りを見回す。けれど、人が来る気配はない。時刻はもうすぐ、20時になる。真冬にはもちろん、谷口にも緊張感が走った。もしかすると、本当に犯人が現れるかもしれない。
予告時間まで、あと10秒。9、8、7、6、5、4、3、2、1、0。
犯人は現れなかった。
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