Be After Prain(ビーアフタープレイン)

世界観・基礎編

『規律で人を殴れるのが天国。何もしないと殴られるのが煉獄。殴るのに何も必要としないのが地獄。

さあ、君ならどこへ行きたい？』――ヨハン・ゲオルグ・ファウスト

　人が死んだ時、魂は生きていた世界(地上)から別の世界へ行く。行き先は三つに別れ、どこに行くかは生前の行いを元に定められる。

善行を行った者は天国へ、普通の人間は煉獄へ、

許されざる罪を犯した者は地獄へ行くことになる。

　正規の手段を手段を踏まない限り各世界を移動することは出来ない。

【天国】

『ここの生活は正しい行いをした者へのご褒美、赦された者にのみ与えられる安寧なのです！さあ、アナタも罪を償って幸せな死後を送りましょう！』──煉獄向けPR動画『祝福』より

　そこは正しい行いをした者だけが至れる領域。地上よりも遥か高い場所にあり、他者に危害を加える者はおらず、行いに対価を要求する者もいない。

　通貨は存在せず誰かの所有物も少ないため、資材が潤沢で対価なしでも

向上心のある労働者が存在し外敵が不在の【CENSORED】理想郷である。

　領域内では天使の定める規律があり、違反すると厳しい罰が下されるほか、

丁寧な管理により住民が増えすぎることがないのが特徴。

【煉獄】

『贖罪を目指すもの達よ、疲れたのなら下を見なさい。

あなた達は彼らとは違います、赦される事ができるのです。だから歩み続けなさい。大丈夫。あなたの努力はきっと報われる日が来ますよ』

──煉獄にて流れる定期放送の録音

　そこは九つの層からなる巨大な山。生前に償える程度の過ちを犯した人間が

落ちる場所である。各層で定められた己の罪を償うことで

上の階層へと行くことができ、最上層に辿り着くと昇天する権利を与えられる。

地獄に落ちるはずだった死者が生者の祈りによって煉獄に落ちたケースもある。

　最下層と最上層を除いた各層では『七つの大罪』と呼ばれる悪魔が支配しており、

当人のやり方で煉獄に落ちた人間が昇天を諦めるように誘惑している。

彼等の行動は『乗り越えられる試練を与えて試す』という主の方針と噛み合っているため、天使が悪魔に攻撃を仕掛けたり活動を妨害することはない。

　ここに落ちた人間たちは天使の助けなしでは各層の間を移動できないため、

勝手に最上層に行くことは不可能。このシステムから

人間ひとりにつき天使ひとりのパートナーがつく決まりが設けられている。

　昇天には長い時間を要するため、最近では煉獄の最下層では昇天を諦め、

堕落した生活を送る者もいる。どうしようもない悪はたいてい地獄にいるため

理不尽なことはさほど起こらないが、自制心を試すような誘惑は多々存在する。

……実のところ、最上層が天国に繋がっているか［破り取られた形跡］。

【地獄】

『仮にあなたが地獄にいたとしよう。一層だろうが八層だろうがどこだっていい。

程度や傾向の違いはあれど、得られる終末感はこれといった違いがないからな。

さあ、右を向け。耳が汚れる言葉と共に殴り合いが起きている光景が見えるか？

なら今度は左だ。真昼間からゴミ箱にゲロをブチ撒けているだろう？

残念ながら大通りじゃよくあることだ。吐瀉物をゴミと認識できているだけまだ上品な方だな。で、最後は上。――おめでとう、財布をスられたな。

あるいは足を引っ掛けられて転んだ？ああ、もしかしたらその無防備な喉元を

引き裂かれていたかもしれないな。“地獄”っていうのはそういう物だ。

……なに？最初の一言以外ぜんぶ台本と違う？

なら台本か地獄の風景を書き換えてくるんだな。話はそれからだ』

──天使向けPR動画『地獄の歩き方』より

そこはどうしようもない悪に染まった魂が堕ちる場所。※1

どこに行こうと血と暴力からは逃れられず、理不尽な死に満ち溢れている。

　ここに落ちた人間は煉獄とは違い、異形の悪魔となる。

彼らは仮死状態になることはあっても魂が消滅することはない。

　地獄の構造は煉獄と同じように9つの層に別れ、それぞれに支配者が存在する。※2

なお、PR動画の通りどこの層に行こうと大して変わらない模様。

※1……償いや更生の余地があると判断された罪人は煉獄に送られるため、地獄を“ゴミ捨て場”と揶揄する天使もいるとかいないとか。

※2……各層の仔細は『世界観・用語集――地獄の層』にて確認可能

【天国の石碑に刻まれている煉獄・地獄の歴史】

　地獄の成立は紀元前にさかのぼる。かつて、一人の熾天使がいた。

彼は勤勉であり真摯であり、周りの天使からも慕われ、

ついにあらゆる天使を統べる天使長となったのである。

しかしその傲慢さ故に己こそが主に相応しいと考えた彼は

次々に過ちを犯していった。その行いはやがて波紋を呼び、

もはや看過できないものと判断した他の熾天使たちが彼を

天国から追放する処置を決定。

代表として熾天使ミカエルが彼を地中深くへ堕とした。

この追放によって出来た穴こそが地獄であり、

その衝撃で地面が盛り上がって出来たのが煉獄である。

そしてこの時に彼の体から流れていた体液が地獄の悪魔の起源なのだ。