第2話
村長の屋敷に着くなり、これまた時代劇に出てくる女中の格好をしている女の人達によって身体を洗われ、七五三の時に着るような白い着物を着せられ神輿に乗せられた桜子は村の男達によってどこかに運ばれていた。
『この娘っ子のおかげでオラ達は娘を龍神様に捧げずに済んだし、龍神様によって〇〇〇(村の名前が桜子には聞き取れない)村の加護と豊作が保障された』
良かった良かったと、一人の男の能天気で何の関係もない人間を巻き込んだ事に罪悪感がこれっぽっちも浮かんでいない言葉に他の男達も同意を示す。
聞こえてくる男達の会話から察するに、どうやら自分は〇〇〇村の為に龍神様とやらに差し出されるらしい。
何の関係もない自分が何故〇〇〇村の為にならないといけないのか?
今すぐにでも両親と祖父母の元に帰りたい桜子であったが、自分が乗っている神輿を担いでいるのは大人の男、しかも四人だ。
何とかという漫画の主人公である野菜人のように〇〇〇〇波や空を飛ぶ術とかが使えたらそれも可能だったと思うが、地球人で何の修行もしていない桜子にとってそれは無理な話だった。
(もし生きて帰る事が出来たのなら・・・修行しよう!!)
某野菜人のように〇〇〇〇波や空を飛ぶ術、某悪の帝王であるあの御方のように星を滅ぼせるエネルギー弾を使えるようになるのはどう考えても無理だが、何とかという薬を飲んで小学生になった漫画に出てくる女の子のように空手や合気道であれば会得できるだろう、多分。
暫く進んでいる内に目的の場所に到着したのであろう。
心の中で決意を固めている桜子を乗せた神輿が降ろされる。
『娘っ子。
(い、嫌っ!し、死にたく、ない!!)
男によって抱えられた桜子は必死で足掻くのだが幼稚園児が敵うはずもなく、彼女は闇夜を照らす月が映っている大きな湖(?)沼(?)へと投げ出されてしまうのだった。
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