第19話  カズヤ君①

 中学生の時、カズヤ君というガリ勉(ガリ勉の割に、トップクラスではない)君がいた。彼は、中学2年生で恋をした。相手は、同じクラスの石橋さん。僕は相談された。


「カズヤ君は、石橋さんとどうなりたいの?」

「付き合いたい」

「ほな、アタックや。机に手紙を入れて、放課後、校舎裏に呼び出しや!」


「1人やと緊張するから、崔君、隠れてみててや」


 石橋さんは、他の女子と校舎裏に現れた。


「石橋さん、好きや! 俺と付き合ってくれ!」

「私、他に好きな人がいるから」

「そこをなんとか、この通りや!」


 カズヤ君は即、土下座! 潔い!


 「無理、それじゃあ」


 石橋さんは振り返ることもなく去って行った。カズヤ君は土下座しながら泣いていた。僕は言った。


「介錯したろか?」

「頼む」



 僕は、土下座状態のカズヤ君の頭を踏みつけた。(これを書くと、まるで僕がヒドイ奴かのように映りますよね? 笑)カズヤ君は、


「ぬおおおおお!」


叫んだ。







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