第11話 余波

大反響だったSSのダンス発表は、後日集計された学園祭出演団体の投票で2位に大差をつけて見事1位を獲得した。

一般の来客の票が内部票よりもはるかに大きいので、彼女達の実力は明らかだった。

放送でランキングが発表されると、SSの名が読み上げられた途端に各クラスから歓声があがった。

Sはメンバー同士で涙ながらにハグやハイタッチをしていた。

私はその輪には入れないけれど、Sが友達と喜びを分かち合う姿を見て素直に良かったと思えた。


怒涛の学園祭の次は修学旅行が待っていた。

高3は受験の年だから、他の学校より早い高1の秋に計画されている。

二泊三日の沖縄旅行は、高校生活で私達に許された受験前最後のバカンスだ。

Sと私は違う班になった。くじ引きの時ほんの少しだけ期待したから、残念なような安心したような不思議な気持ちになった。

Sが同じ班になれなかったことを大袈裟に悔しがってくれたのがなんだか嬉しくて、思わず微笑んでしまった。

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