経験やアイディアがなくても短編小説は『ドラえもん方式』で簡単に書ける!

深夜太陽男【シンヤラーメン】

はじめに

 小説を書きたい人、お話はどうやって書くのか疑問ですよね?

 小説を書いている人、お話はどうやって考えていますか?


 想像したままに書き出してみたり、結末を決めてから逆算して考えたり、思いついたキャラクターを好きに動かしてみたり、一つのアイディアをとことん膨らましてみたり、有名な作品を真似してみたり、作品の数だけやり方もあると思います。ここには正解も間違いもありません。


 しかし! 特に初心者の人は途中で書くのを挫折したり、ストーリーやキャラが迷走して収集がつかなくなったりして、最後まで書ききれず未完結になってしまうという悩みもあるでしょう。僕自身も今まで「最高に面白い!」と思いついたストーリーが、途中で破綻してしまい何度も書き続けるのを諦めました。全体像をまとめる前に書き出したい衝動は止められませんが、完成しなければ作者も読者もモヤモヤしたままです。


 そんな人は、最初にガッツリした連載長編小説の前に、まず短編小説を一つ書いてみましょう。掌編小説やショートショートとも呼ばれます。有名なのは星新一さんの作品たちですね。千作以上あると言われています。そしてどれも面白いし小学生でも読みやすいくらいなので、未読の方はぜひ読んでみてください!

 短編小説は文字数にしてみれば一万文字以下、千文字以下でも構いません。百文字くらいでもいいでしょう。かなり極端な例ですが世界で一番短い小説は『For sale: baby shoes, never worn.(売ります、赤ちゃんの靴、未使用)』と、これだけです。日本だと短歌や俳句のようにも捉えられますが、短い文章だけで物語が伝えられるのは確かです。

 原稿用紙何枚分と言われると、そんなに書けない! と拒否反応が出る人も多いかもしれません(国語の授業を思い出しますね)。しかし、SNSの投稿を何回かと考えれば気軽に書けてしまうものです。


 とはいえ、ネットや出版物の創作論を色々参考にしてみても、プロットがどうの起承転結や三幕構成になんとかポイントをうんぬんかんぬんと、難しそうな上に肝心なところは曖昧なことばかりで戸惑いますよね。これは地図や方程式のような物語作成『道具』であって、必須なわけではありません。初心者向けに、もっと簡単な方法があります。


 ――それが『ドラえもん方式』です!(パンパカパンパンパーン)


 ……ちなみに僕が勝手にそう呼んでいるだけで、『こち亀方式』でも『銭天堂方式』でも構いません。

「他の作品をパクるの?」と思う方もいるかもしれませんが、違います。テンプレートの一種を使うだけです。

 流行りの異世界転生や悪役令嬢だけでなく、ミステリーもホラーもSFも、同じジャンルの中では、みんな同じようなテンプレートを使っています。ガンダムもマクロスも、宇宙を舞台にロボットバトルが展開されますが、全く違う作品ですよね? 既存の作品と似ているところはあれど(むしろ被るのを避けるのは無理)、組み合わせる要素次第では全く新しい作品を生み出すことができます。

 例えばアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』は、女児向けアニメの王道テンプレートである魔法少女モノに、ダークさやSFといった設定を悪魔合体させることで、これまでにない斬新さと最高峰のストーリーが誕生しました。『葬送のフリーレン』も、ファンタジーRPGの定番である勇者と魔王の話を、魔王を倒す前と後を交互に描写し、二重の構造に展開させることで見飽きることがありません。『新世紀エヴァンゲリオン』もほぼ『ウルトラマン』です。

 煮る、焼く、蒸す、などといった調理法は確立されていますが、食材次第でいくらでも新しい料理は創れるのです(※美味しいかどうかは好みによります)。


 というわけで、もっと単純なドラえもん方式を次の章から解説していきたいと思います。

 ちなみに僕は、この方法で短編小説を40作以上を書くことができました。星やPVは人気作には程遠い底辺インターネット小説マンですが、刺さる人には刺さるらしく、たまに熱烈なコメントレビューをいただきます。もしよろしければ拙作たちを読んでみてください(https://kakuyomu.jp/users/anroku/works)。SF、現代ドラマ、百合など様々です。


 それでは次のページへどうぞ!!!

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