インキピット
Athhissya
インキピット
インキピットとは、まだ題名という概念が存在しなかった時代の書物を指示する語彙として対象となる文章の冒頭文を代用することであり、この章のタイトルであるインキピットはインキピットであるし、この文章シリーズのタイトルであるインキピットはインキピットという第一枠目のタイトル及び第一枠目の冒頭一番に出現するインキピットをインキピットしているタイトルである。
書きたいこと書き終わったから終わり。暇つぶしの娯楽のための小説なんてこのくらいの長さでちょうどいい。
ここまでたった250字弱の文章なのに、なんでこんなに読みにくいのだろうか。それは「タイトル」という単語と「インキピット」という単語が違うものを指示しているから。
分かりやすく書くと、
①インキピットは文章冒頭をそのままタイトルにすることである。
②この文章自体もインキピットである。
③この文章シリーズ自体もインキピットである。
この三つの情報を一文にまとめたせいで読みにくくなっている。
だから、情報の分散を図って読みやすい文章を書こう。
という創作論を説く作品ではない、これは。
斬新なストーリーなど描き尽くされて存在しない現代において、作家の個性に独創性を与えてくれるのは如何に読みにくく描くかに掛かっている。しかも読みにくさは読み応えに直結する。
そして注意してほしいのは、下手な文章と読み応えのある文章は明確に異なるということ。しっかり読めば筆者が読者に受け取ってもらいたい文意が明確に読み取れる文章が読み応えのある文章なのであり、自分にしか伝わらない表現ばかり用いて結局何が書いてあるのか分からない文章は単に下手。
分かりましたか?では、宝木遥乃。
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