第-1話 強制転生?秀頼登場!
「お嬢さん、名前は何と言う?」
「…言い始めた方から名乗るものだと思います。それに、私は貴方と話したくありません」
「固いなー。ま、オレはライウ⭐︎初代雷神様の曾孫の曾孫の…」
「そうですか」
千姫はそう言うとスタスタ歩いて行こうとした。
「ちょっと待て」
「…」
「お嬢さんには異世界転生して貰う」
「嫌です」
「そう言わないで。お嬢さんはどうしたいのだ?」
「家族と共に、幸せに暮らしたい」
「じゃあオレが異世界で家族を用意すー」
「そういう事ではございません。私は秀頼様や忠刻様、子供達と暮らしたいのです」
「残念だが、お嬢さんはそれが出来ない。大人しく転生しなさい」
「じゃあ、秀頼様達を連れて行けませんか?」
「うーん、簡単ではないな。代わりに、オレが付いて行ってー」
「絶対に嫌です」
「チッ」
「それに『簡単ではない』なら、不可能では無いのでしょう?なら、秀頼様達を呼び寄せてみて」
「…はーい。んじゃ、狸親父と交渉してきまーす」
「よくもお爺様を…!」
夫を殺されたとはいえ、千は別に家康が嫌いな訳ではない。
「千、会いたかった」
「秀頼様!」
「…じゃ、お嬢さん。お婿さんも。これ一枚引いて」
ライウのさっきの陽キャ感はどこへ消えたのだろう。
「紙?…えっと、【超】?」
「僕も出ました…【光】と書いてありますが」
「そんな…有り得ない…激レアスキルが当たるなんて…」
「有り得たみたいですね」
「【超】って、どういう事?」
「異世界の属性。基本は【火】【水】【地】【植物】【風】で出来てて、それよりレアな【光】【闇】の存在がある。基本的には自分の属性の魔法しか使えない。でも【超】は全部使える」
「へぇ」
「んじゃ、スキル一個取って」
ライウは小さい袋を持ってきた。
「すきる?」
「転生者しか持てない、特殊な能力」
「適当でいいの?」
「ああ」
千が手を突っ込むと、広大な空間ある様だった。人気漫画の猫型ロボットのポケットみたいになっている様だ。
「じゃあこれ」
属性と同じ様な紙が。
「[獣化]だって」
「僕のは[回復]って書いてありますけど…」
「その能力を貰える。但し、バラすな。分かったら、この席座って」
そうしてみた。すると、千は身体が5歳くらいの女児の様な見た目になっていた。銀色の髪に、青っぽい目の可愛い子だ。
秀頼は5歳くらいの男児の様になっていた。茶色い髪で、緑色の目をしている。
「何が起きたの…?」
千の声は幼い子供そのものだった。
「異世界での姿に。念じればいけると思うから、嬢さんは[獣化]してみて。解除も同じ」
千は試しに猫になろうと念じてみた。すると、すぐに変化は起きた。
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