皆さん健康を大切に

@s1280

プロローグ

 皆様はよく聞く寝たきり若しくは介護が必要なただ生きてる人間というのはどう感じますか?

 それでも大切な家族ですか?


 私は一瞬で価値がなくなると感じました。

 そして、家族でも自分の事は出来ないと冷遇されるのだと実感しました。


 今回は脳内出血により右半身麻痺で要介護3に認定された私の父親について話します。


 ☆


 家族構成は4人家族。

 父親、母親、私、妹とありふれた家族で実家暮らしです。

 父親は64、母親は62。私は25、妹は22です。

 僕達はそれほど性格に難はないのですが父親はメチャクチャ頑固です。


 自分の意見を変えないし、変にプライドが高い。

 脳内出血で倒れる前は腰痛持ちで「腰が痛い痛い!」と常日頃言っており足をひきづるほど。

 妹が評判の高いマッサージ屋を教えたら顔を真っ赤にして


「大丈夫やっ!余計な事をするなっ!」


 と怒鳴り妹をギャン泣きさせました。

 その結果、腰は神経に支障をきたし杖が無いと歩けなくなる程になりました。


 また、父親は酒に強い為毎日毎日飽きもせず飲んでいます。

 母親の料理は「不味い!」と吐き捨て自分の買ってきた酒のつまみしか食べません。


 晩御飯は酒のつまみ。

 昼飯はカルビ丼、時折王将の餃子弁当。

 酷い時はカルビ丼三食です。

 野菜を摂らずテンプレ通りの暴飲暴食を繰り返していました。


 私が気を利かせてお惣菜を買ってくると「いらん」と言い放ちモリモリと笑顔でカルビ丼をがっつく様は豚みたいで気持ち悪かったです。


 そんな生活をしてるからなんとかしようと母親は努力をしました。

 弁当に野菜を入れたり親戚に「食生活を改善してくれ」と菓子折りを持って懇願したりと涙ぐましい努力を。

 しかし、それは無駄に終わりました。

 弁当の野菜を残したり義母からの説教では


「アンタ、自分の父親がどうなったか分かっとるやろ。高血圧が原因で倒れたの知っとるやろ」


 とありがたい言葉に父親は俯いたまま


「ハイハイ」


 と聞き流していました。

 小さい頃からお世話になっている義母に対する失礼な態度には殺意が湧きました。


 それでも頑張ってたんですよ、母親は。

 本当に。

 病院の先生に相談したりとかしてたんですよ、父親も医者にたしなめられてたんですよ。


 でも当の本人は


「あの医者五月蝿いわ」


 と渋い面で言い放ちました。

 そんな性格だから生活習慣を変えようとせず2022年2月恐れていた事は突然起こりました。


 職場に母親から電話がかかってきました。

 朝に倒れて今病院に向かっていると。

 えっ!と絶句する俺に母親はため息を吐き


「頭の出血が酷くてお医者様からは一生車椅子生活って言われた」と悲しそうに言い放ちました。


 ☆


 父親が倒れて一週間後。

 妹と二人で見舞いに行きました。

 白髪の老人がいる部屋の中、頭の黒い父親は苦しそうに息を荒げてました。


 点滴を打ちオムツを履いて汗だくな顔。

 そして、挨拶もそこそこに。

 父親は開口一番こう言い放ちました。











「な、なんで儂がこんな目にあわなあかんのや。悪いことしてないのに」


 ・・・頭殴って脳からもう一回出血させたろかとガチで思いました。


 ☆


 半年のリハビリを終え自宅へ帰った父親。

 倒れて少しは自重するかなーと思いましたが、そうはならなかったです。


 寧ろ悪化しました。

 ワガママ言い放題です。


「病院なんて行きたくないっ!!デイサービスなんて行っても意味ない!!」


 とか。


「お、俺いつ酒飲めるようになるんや。酒が無いと死んでまう」


 など。


「アイツ(母親)の作る飯は薄くて不味いからカルビ丼買ってきてくれ、皆の分な」


 と5千円札を私に渡してきました。

 うん・・・なんでコイツ死なんかったんやろと思っています。



「・・・変わらんのやな」



 と母親は嬉しそうに車椅子姿の父親がカルビ丼を食べる後ろ姿をみてポツリと言いました、この時点で母親の気持ちは冷めたと思います。

 父親に対して最低限の関わりしか持ちません。

 父親が台所で食事していると違う部屋で洗濯物を畳んだりとか。

 家庭内別居状態になってますけどぶっちゃけ仕方ないと思っています、完全に父親が悪いと思っています。

 寧ろ離婚しないのか?と怖いです。


 私も世話をした時ワガママを放つ父親にその時に冷め、妹も父親の世話をした際に私と似たような目に合いそれから父親に冷ややかになりました、もう全員が冷めてます。

 字を綺麗に書けるようになったとか、絵を少し描けるようになったとか嬉しそうに父親は報告しますけどどうでも良くなりました。


 こちらが話しかけても無視する癖に頼み事をする際は猫撫で声で言い放つ。

 そんな情け無い父親に今では大切にしようという気持ちはなくさっさといなくなって欲しいと思っています。

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